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日本酒古酒・熟成酒を飲み比べ (岐阜県各務原市 小町酒造株式会社 長良川シリーズ)
ここで、古酒・熟成酒を試してみたいと思います。
「もう二度と作りたくない、おうちでいにしえ酒店堪能セットA」で飲み比べをしてみました。
これは、現在いにしえ酒店で購入できるビギナー向け古酒・熟成酒のセットです。この3本セットの素晴らしいところは、3種類の古酒・熟成酒がそれぞれ100mlずつ瓶詰めされ、飲み比べできるようになっているところです!
左から古い順に、
長良川T-5 純米酒(醸造年度:1996年)
長良川T-3 大吟醸(醸造年度:1998年)
長良川T-406 山廃 純米大吟醸 (醸造年度:2005年)
決して、色の濃い方が古いわけではありません。
銘柄名にある「T」とは、「タンク」の意味で、番号はタンクの番号。
お値段は、2,780円(税抜)。
初心者用セットと言っても、15年以上熟成された日本酒ばかり。
酒蔵は同じでも、造りは純米酒、大吟醸、純米大吟醸と異なりますが、基本的にはタンクで常温という、ほぼ同一条件で熟成されているので、醸造年にも少し違いはあるものの、比較はしやすいです。
また、造りの違いによる、熟成後の色・香り・味の変化の、大まかな特徴も捉えやすい、と思います。
長良川T-5 純米酒 (醸造年度:1996年)
七段時込み(*)の純米酒。
色:
つやがある山吹色。
香り:
ドライアプリコットのような、酸っぱいような甘いような感じ。
また、干ししいたけのような香りもあります。
味:
そんなに重くはありません。
少しピリッとしたあと、少し苦く、しいたけのだし汁のような、カラメルのような感じがします。
余韻:
少しの旨味、苦味、ピリピリ感がありますが、あくまでも心地よく軽やかです。
ペアリング:
長良川T-5だけを、ウイスキーのようにストレートでゆっくりいただい。
何かと一緒なら、ドライフルーツやナッツが良さそうです。
(*)
通常は、アルコール発酵のための醪(もろみ)造りは、原料を3回に分けて三段仕込みで行われます。
七段時込みでは、原料をさらに分けて加え、アルコール発酵の過程をゆっくり進めるため、一般的には、旨味が増すと言われています。
(長良川T-5 純米酒(醸造年度:1996年))
原料 米・米麹
原料米:地元産米
精米歩合:65%
アルコール度数:15度から16度
日本酒度:+5
酸度:2.1
アミノ酸度:➖➖
酵母:➖➖
貯蔵:常温タンク貯蔵
長良川T-3 大吟醸 (醸造年度:1998年)
醸造アルコールが添加されている(*)大吟醸。
色:
レモンイエロー色がかかった黄色です。
香り:
少しつんとしたあと、少しオイリーな感じと酸味が感じられ、ナッツっぽさや少し甘い感じもあります。
味:
最初は少し甘い感じで口の中がふぁっとします。
その後につんとしますが、最後はやわらかい感じになります。
余韻:
穏やかに続き、少しピリピリとした心地よい渋みのような感じが続きます。
しばらくグラスに置いておくと、香りも味もなめらかになっていきます。
ペアリング:
T-3だけでいただいてもおいしいです。
ナッツ類や天ぷらなどの揚げ物なんかにも合うでしょう。
(*)
醸造アルコールの添加は、味をキレや軽やかさが出ます。
大吟醸や吟醸酒では、香りを引出す効果も。
(長良川T-3大吟醸(醸造年度:1998年))
原料:米、米麹、醸造アルコール
原料米:山田錦
精米歩合:45%
アルコール度数:16度から17度
日本酒度:+1
酸度:1.6
アミノ酸度:➖➖
酵母:➖➖
貯蔵:常温タンク保存
長良川T-406 純米大吟醸 山廃(醸造年度:2005年)
15年熟成の山廃 純米大吟醸 (*)。
色:
少し緑かがったような淡い黄色。
香り:
まず、酸っぱさが印象的です。
それが少したつと、少し香ばしいナッツのような感じとヨーグルトのような酸っぱい香りがします。
味:
とてもパンチがある酸っぱさが印象的で、個性的です。
それに旨味が加わっているからか、非常に心地よい味わいです。
余韻:
旨味と酸味が混じっていますが、最後は旨味の方が勝っていると思います。
また、少しぴりぴりとし、心地よい渋さもあります。
ペアリング:
長良川T-406をいただいていると、チョコレートが食べたくなってきました。
でも、何もなくても、ずっと飲んでいられるお酒です。
(*)
山廃では、お米を糖化させる際に、お米を山卸し(すりつぶすこと)せず、お米が溶けるのをしばらく待ちます。
これによって、濃醇で酸味を感じる日本酒に仕上がることが多いです。
(長良川T-406 純米大吟醸 山廃(醸造年度:2005年))
原材料:米・米麹
原材米:山田錦
精米歩合:45%
アルコール度数:16度から17度
日本酒度:-8
酸度:5.8
アミノ酸度:➖➖
酵母:➖➖
貯蔵:常温タンク保存
まとめ
長良川T-5、長良川T-3、長良川T-406は、すべて常温でいただきました。
長良川T-5は、御燗にしてもおいしいと思います。
古酒・熟成酒は、一般的な日本酒より色・香り・味全てにおいてバラエティに豊んでいると思います。
最初に試す時は、このセットのようにいろんな種類を少しずつ、飲み比べてみるのがオススメです。
上述のとおり、古酒・熟成酒をいただいていると、通常は、日本酒と合わせようと思わない食べ物(ナッツやチョコレートなど)とも合わせたくなります。
食べ物なしで、それだけでゆっくり、じっくり、ずーっと味わっていたくもなる。
日本酒の世界がどんどん広がります。
常温なら、どの銘柄もぜひワイングラスで試してみてください。
古酒・熟成酒は、飲む内に味も香りも少しずつ変わっていき、よりまろやかになることが多いので、ワイングラスでいただくと、そうした変化が楽しめます。
また、飲み終わったあとのグラスの香りも心地よいです。
う〜ん、しあわせ!
最後にひとつ…、長良川シリーズは音楽が流れる蔵で熟成されていたとのこと。
岐阜県各務原市 小町酒造株式会社をぜひ一度訪問してみたいですね。