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日本酒古酒・熟成酒飲み比べ (三重県四日市市 丸彦酒造株式会社 三重の寒梅)

いにしえ酒店で購入した、ビギナー向け5本セット(*)にあった、丸彦酒造さんの古酒・熟成酒3種を飲み比べてみました。
(*)このセットは、現在、在庫がないようですが、それぞれ4合瓶であれば、購入できるようです。


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右から新しい順に、
三重の寒梅 大吟醸原酒(*) 醸造年度:平成27(2015)年
三重の寒梅 大吟醸原酒 醸造年度:平成25(2013)年
三重の寒梅 琥珀尊 醸造年度:昭和43(1968)年

(*)「(原酒とは、)上槽(製成)後、水を加えてアルコール分などを調整しない清酒をいいます。なお、仕込みごとに若干異なるアルコール分を調整するため、アルコール分1%未満の範囲内で加水調整することは、差し支えないことになっています。」
日本酒(清酒)に関するもの(国税庁)

造った酒造会社も同じ、熟成方法も同じ、また、いずれも醸造アルコールが添加されている(*1)ので、比べやすいと思います。
特に、最初の2つの日本酒は、両方とも大吟醸酒(*2)で、熟成期間が数年違うだけです。

(*1)「醸造アルコールとは、でん粉質物や含糖質物から醸造されたアルコールをいいます。
 もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高く、「スッキリした味」となります。さらに、アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もあります。
 吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10%以下に制限されています。」
「清酒の製法品質表示基準」の概要(国税庁)
大吟醸や吟醸酒では、香りを引出す効果も。
(*2)大吟醸などの特定名称酒について

三重の寒梅 大吟醸原酒 醸造年度:平成27(2015)年 

原酒なので、アルコール度数は17度と高めです。
色:
黄色が少し強いレモンイエロー、平成25年ものより若干濃い。
香り:
甘いクリームや、カシューナッツを思わせる香りに、少し酸味が加わります。
味:
鼻に抜けるナッツ感と言うか、少しオイリーな感じ。
やわらかい甘みとボリュームを感じる旨味のあと、苦味と少し渋みを感じます。
余韻:
苦味と少しの渋みが続きます。
ペアリング:
チョコレートやポテトチップスなど、おつまみ系と合いそうです。

(三重の寒梅 大吟醸原酒 醸造年度:平成27(2015)年)
原料:米・米麹・醸造アルコール
原料米:神の穂
精米歩合:50%
アルコール度数:17度
日本酒度:+3
酸度:1.3
アミノ酸度:➖➖
酵母:➖➖
貯蔵:常温瓶貯蔵
価格:2,132円(税別)(4合瓶)

三重の寒梅 大吟醸原酒 醸造年度:平成25(2013)年

平成27年ものと同じく原酒なので、アルコール度数は17度と高めです。
色:
薄いレモンイエロー。
平成27年ものより薄く、新しい感じ。
香り:
酸味と、少し焼いた食パンのような香り、さらに、甘さもあります。
味:
ナッツのような旨味と、甘味、少しの酸味が感じられ、そのあと、苦味に少しの渋みが加わり、つんとします。
やはり、平成27年ものより、むしろ新しい感じです。
余韻:
スーッと切れて行くのですが、渋味と少しの苦味が残ります。
平成27年ものより長いです。
ペアリング:
少しパンチがあるエスニックフードなどと合うのかな、と思います。

(三重の寒梅 大吟醸原酒 醸造年度:平成25(2013)年)
原料:米・米麹・醸造アルコール
原料米:神の穂
精米歩合:50%
アルコール度数:17度
日本酒度:+4
酸度:1.3
アミノ酸度:➖➖
酵母:➖➖
貯蔵:常温瓶貯蔵
価格:3.229円(税別)(4合瓶)

三重の寒梅 琥珀尊 醸造年度:昭和43(1968)年

なんと、50年以上前に造られた、今で言うところの普通酒です。
30年前、40年前の日本酒は、意外とありますが、50年前となると、なかなかお目にかかることはありません。
なお、アルコール度数が20度と高いので、飲み過ぎにはお気を付けてください。
色:
艶がある少し薄い紅茶のような色味がかかった琥珀色。
香り:
ドライアプリコットやキノコの香り、でも、酸味がある程度強いからか、比較的かろやかです。
味:
甘味と酸味、そして、旨味、その後、苦味、渋みが続きます。
余韻:
苦味と渋みが残り、最後は苦味がしばらく続く、とても複雑な味。
ただ、重くはないです。
ペアリング:
チョコやチーズ、中華料理とかとも合いそう。
琥珀尊は、今で言うところの特定名称酒ではなく、普通酒ですが、香味がとても良く、色はきらきら輝いています。

(三重の寒梅 琥珀尊 醸造年度:昭和43(1968)年)
原料:米・米麹・醸造アルコール
原材料米:国産米(三重県産)
精米歩合:70%
アルコール度数:20度
日本酒度:−5
酸度:2.9
アミノ酸度 2.8
酵母:➖➖
貯蔵:常温瓶保存
価格:6,500円(税別)(4合瓶)

飲み比べを終えてー熟成の謎

今回の3本は、昭和43年もの、平成25年もの、平成27年ものでした。
でも、どうしてそれぞれの年の日本酒が選ばれて熟成されたのでしょうか?
特に、昭和43年の後、かなり年数が経ってから、平成25年、27年なのは、なぜか?
とても興味が湧きました。
また、平成25年と平成27年を比べると、新しいはずの平成27年ものの方が、より熟成しているように感じたのも不思議です。
そこで・・・



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