「熟成された日本酒」との出会い
以前から日本酒は好きで、いただいていましたが、「おいしかったら、それでよし」でした。
それが数年前のある日、日本酒について少し学んでみよう、とふと思ったのです。
そこで、当時、三重県鈴鹿市の清水清三郎商店さんが行なっていた、参加者みんなで米作りを行い、出来上がったお米で日本酒を造る、という会を見つけ、それに申し込みました。
でも、結局、都合をつけられず、イベントには一度も参加できず。
ただ、しぼりたての日本酒が緑色の4合瓶に入って数本送られてきました。
鈴鹿川(純米吟醸酒)でした。
届いてすぐに、いただいてみたところ、さわやかな感じでおいしかったのを覚えています。
2本が残りました。
純米吟醸酒を自宅で保存熟成
残った2本は、未開封のまま、戸のない棚にしばらく立てて置いておきました。
その後、「少し冷やしておく方がいいかな」と思い、冷蔵庫に横にして入れたんです。
つまり、少し光があたるところでの常温保存のあと、冷蔵保存にしたわけ。
まろやかになっていた純米吟醸酒
しばらく自宅に置いていた純米吟醸酒2本のうち、1本は友人に渡しました。
「飲めるかもしれないけど、ちょっと時間がたっているから、おいしくなかったらお料理にでも使って」と。
するとしばらくして、その友人が「あれ、おいしかった」と言ってきたのです!
「へーそうなんだ、飲めるんだ」
そう思い、もう1本は自分が飲んでみることにしました。
すると、やっぱり飲めたんです!あまり真剣に考えずに自宅にしばらく保存していた日本酒が!
しかも、届いてすぐに飲んだ時よりまろやかになっている。
日本酒の古酒・熟成酒の世界へ
さほど真剣に考えずに保存していた日本酒がおいしかった、というのは、決して私個人の感想ではありません。
友人もやはり、おいしいと言っていましたから。
日本酒は必ずしも、なるべく早く飲んだ方がよいわけではない、というのは発見でした。
そして、これが、私の古酒・熟成酒の世界への、旅の始まりでもあったのです。