繋がっている世界
最近、雑誌やインターネット上で、世代間から生じる子育て観の違いと問題に関する記事を目にすることがあります。
一世代前は“抱き癖がつくから抱っこはしないように”という育児法だったのが、今は違う・・というような、子育て方法の不一致が多くあります。
おばあちゃんは孫のために・・とアドバイスをしてくれるけれど、時代が変わっている今、その手法も変わっています。何を信じたら良いのか、そのアドバイスをどう受け止めたら良いのか、迷っているような方も多いようです。
子育てママの孤立の心配の裏には、このような問題もあるようです。
母子の繋がりというのは後々まで引きずるケースが多くあります。
母親は自分のお腹を痛めて産んだ子どもですから、子どもを自分の一部のように同一視し、大人になってもコントロールしようとする事があります。
また子どもがそのコントロールから逃れられないのは、断ったら母親を傷つける、断ったら愛されなくなる…と自分自身を縛り付けてしまうからです。
人間の身体の構造は、大きく分けて肉体と感情体と思考体の3つで成り立っています。(パウエルの神智学より)
そして、誕生の時に母親と子どもの肉体は分かれて、独立しますが、子どもが12歳になる頃までは、感情のレベル(感情体)は繋がっているそうです。母親が不安になったり、悲しんだりしていると、離れた場所にいるその子どもも不安定になる・・ということは多くあります。
保育園で、子どもがなぜだか一日中落ち着かず、泣く事が多い、不安定な日に、迎えに来たお母さんの疲れきってイライラしている状態を見て納得…ということがあります。
このように、子どもは、お母さんの影響を受け易い存在なのです。
私たち人間は、エネルギー体です。
お父さんとお母さんが喧嘩している…という事があったとすると、二人のギガギガとしたエネルギーがダイレクトに子どもへ飛びます。そのエネルギーを子どもが被ってしまうのです。無言の喧嘩であっても、子どもへトゲトゲとしたエネルギーは伝わります。
子どもには何があったのかはわからないし、喧嘩していることにも気づいていないかもしれません。でも、そのエネルギーは子どもへと伝わってしまうのです。
親も人間ですから、イライラすることもあります。喧嘩をすることもあるでしょう。でも、そのイライラや怒りは“子どもへ確実に飛んでいく”と知っている事が大切なのです。
自分がイライラしている時に、子どもがいたずらをして、
「どうしてこの子はこんな時にこんなことするの!」
というような出来事があるのではないでしょうか?
それは、もしかしたら子どもがギガギガしたエネルギーの影響を受けているのかもしれません。
親子の繋がりでは、伝わってほしくない事も伝わってしまうものです。
だからこそ、
今、自分の感情がどういう状態だろうか。
今、自分の思考は何といっているだろうか。
今、自分はどんなエネルギーを出しているだろうか。
と、自分を見ることが大切です。
そして、その自分を認識する事によって、
ほしくない出来事が起きた時に、子どものせいにするのではなく、
今起きているその出来事だけを効果的に扱えるようになります。
ただ、“自分は怒っている”とか“疲れている”ということを認識するだけ。
すると、自然と子どもへの対応も違って来るでしょう。
怒りの延長で「早く寝なさい!」と言ってしまう…ということもなくなってきます。
逆に、子どもへは「今日はちょっと疲れてるんだ」とか「ママ喧嘩しちゃった」などと、ちょっとした弱音を吐けるようになるかもしれません。
“共感”という言葉がありますが、それは感じている事の分ち合いであって、感情がべったりとくっついていることではないのです。
自分の感情と相手の感情をごちゃ混ぜにしてしまうことも多くあります。
そして、感情と考え(思考)がごちゃ混ぜになって、混乱しているということも多くあります。
自分の感情、相手の感情、自分の考えをひとつひとつ区別していき、それを伝え、伝えられるという関係こそが“共感”の第一歩です。
大人も子どもも、ひとりひとりが感じている事を認め合い、それを伝えられる…それこそが“愛と信頼”から成り立つ“共感”なのです。
ひとりひとりを尊重し合う“繋がり”…それは、“愛と信頼”から成る、“絆の世界”となるのではないでしょうか。
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