子どもの育つ力を信じている
新聞に『子どもってわけわからん』という子育て相談コーナーがあります。
ある日の投稿記事に、
「子どもが勉強をしなくて困っている。勉強をしないで困るのは子どもだから、どうにかあの手この手で勉強をさせようと思っているが、なかなか子どもがやる気にならない。集中力・持続力のない我が子に困っている。」といった内容がありました。
記事の全体を読むと、親が何とか子どもに勉強をさせようと、色々な手を使っているけれど、子どもは“やらされている”という状態であることがわかりました。
勉強をさせたい親とやる気にならない子どもという構図です。
“子どもってわけわからん”というこの記事のタイトルは、“子どもは大人の思い通りにならない”という意味にも捉えられ、ちょっと俯瞰しているようにも、手放しているようにも聞こえて来ます。
「勉強をしないと将来に響くから、とにかく勉強して欲しい」と、子どもの将来を先回りして心配している大人をよそに、「つまんない。やりたくない。」と一向に勉強をしようとしない子どもの姿は“わけわからん”のでしょう。
こうした“わけわからん”ことは、子どもが赤ちゃんの時から起きています。赤ちゃんの頃は、親の「こうさせたい」よりも、子どもが「これができた」「こう成長した」と、新しく成長したことに親の目が向いているので、“わけわからん”よりも、“面白い・かわいい”になっていたのだと思います。
子どもの成長は興味と共に変化していきます。
例えば、一日の大半を寝て過ごしている頃の赤ちゃんが、お母さんの声がする方を向きたいという心理から、寝返りが出来るようになる・・という発達の仕方があります。このことから、成長の源には、自発的な興味や関心があるということがわかります。
このように、本来子どもは興味や関心を持つことから始まり、やってみようという成長に繋がる心理が働き、成長・発達していきます。
このような子どもの育つ力を、親は信じているというあり方があれば、幼児期のみならず、小学生になっても、大学生になっても、子どものペースで育つこと、子ども自身の興味で選ぶことを尊重するようになるのではないでしょうか。
子どもが成長してくると、“親の意向”が強くなって来るものです。
「学校の宿題をきちんとさせたい」「勉強だけは遅れないようにさせたい」「人前に出しても恥ずかしくないようにしてほしい」など‥子ども自身の興味・関心よりも、対外的な事柄への“親の意向”です。
「宿題をしない」のは子どもの選択
その結果、
先生に叱られて帰ってくるかもしれません。
居残り勉強させられるかもしれません。
先生が親を呼び出すかもしれません。
「宿題をしない」という選択に伴って現れてくる結果。
それを“子どもがどう体験するか”が大切なのです。
ここで試されるのは、親や大人です。
どこまで、“子どもの育つ力を信じている”というあり方で居続けられるか。このことを通して、親も成長する機会となっていくのです。
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