“わたし”という軸
以前、ワークショップの中で
「情報が溢れている世の中、どの情報を選ぶか・・一人ひとりが自分の軸を持つことが大切」
という話をしたところ、この“軸”というキーワードに興味を持った方が多くいました。
「〇〇が良い」「〇〇は良くない」と、あたかも「正しい答えはこれだ」と言わんばかりにメディアやネット上に溢れています。あれこれ試してみたり、色々な話を聞くうちに「私は何の情報を求めているのか?」を見失ってしまう人が多いようです。
子育てに自分なりの軸を持つことが大切な時代。
でもその自分なりの軸をどう持ったら良いのかわからないのが現状のようです。
前回書いたこの記事
「肯定的に放っておく」を早速試しているというメッセージを読者の方から頂きました。その中には
「自分は子どもをある程度自由に放っておいて大丈夫と思っているが、周りが心配して放っておいてくれない」
という話がいくつかありました。
「自分はこう思うのに、周りの理解が得られない」という悩みの多くは、ママ友だち、実の親や義理の親、その他周りの人達から、子育てに関して何か助言されたり、注意されたり…ということによって、自分の子育てが「批判された」と感じて “自分の軸” がぶれている様子が伝わってきます。
子育てだけではなく「周りの人の目が気になる」「他の人はどう思うだろう」と、他人が気になってしまう・・という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
自分で自信が無いと思っている分野では、特に「これでいいのかな」「他の人はどうしてるんだろう」と周りに意識が向きがちで、人から言われた一言を必要以上に重く受けとってしまうこともあります。
自分が自信を持って行動している時には、人がなんと言おうと推し進める・・人には相談せずに決めてしまう・・という経験はありませんか?
ところが子育てに関しては、自信を持ってこうだ!という人よりも、人の意見に心が揺らぐ人が多いのではないでしょうか。
子育ては、皆それぞれが初めての経験です。2人目、3人目・・と子どもが増えればベテランかというとそうではありません。子どもは一人ひとり違いますから、2人目には2人目の、3人目には3人目の、それぞれ初めての体験なのです。
そして子どもが成長するにつれて、小学生を育てる、中学生を育てる・・と初めての体験の積み重ねとなります。
保育士や幼稚園の先生も同じです。毎年、毎日、毎瞬…変化する子どもたちと向き合っているので、何年経験しても新しい体験なのです。
初めての積み重ねだからこそ、不安や戸惑いはあります。
その不安や戸惑いから、人の意見に心が揺ぐこともあるでしょう。
子育てに「正しい答え」というものはありません。
子どもが十人十色なら、親も十人十色です。
答えは自分の中にあるのです。
自分が信じる子育てを試してみて下さい。
・試した結果、どうだったか。
・自分になにか気づきがあったか。
・「うまくいった」or「うまくいかなかった」
・「子どもが嬉しそうにしていて自分も嬉しくなった」
・「もう少しこうすればよかった」
・「自分が楽しかった」「心地よかった」
など・・様々な考えや感情が出てくるでしょう。
その自分の感覚を大切にすることで、自分なりの子育てが見えてきます。
周りの人からの助言は助言です。
その意見を取り入れるかどうかは、自分次第です。
“子育て”というと、子どもを育てるため・・と思いがちですが、実際には親・大人が成長する機会でもあります。
“子ども” をどうにかするのではなく、“わたし” がどうしたいのか。
“ママ友” がこう言うからこうするのではなく、“わたし” は子どもにとってどうありたいのか。
“世間一般” ではこういうものだから・・と考えるのではなく、“わたし” はどう考えているのか。
“わたし” が明確になること・・
それは、自分の思考に正直であり、感情に誠実であること。
このことが、人生の“軸”を創る上での大切なポイントです。
私たちの人生は、成長のプロセスです。
様々な出来事を体験しながら、内面の成長をし続けている私たちです。
今、苦しく思えている時でも、一つひとつコツコツと取り組むことで、気づくと通り抜けているものです。そしてその時は「よくここまで来たなぁ」と自分を誉めていいのです。
頂上は見えないけれど、一歩一歩、確実に登っている人生の山。一緒に山登りを楽しんで歩んで行きましょう。
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