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リラックスしていることの強さ

以前、あるワークショップに参加しました。
そこで行ったワークがとても興味深く、驚きの体験でした。
それは、二人組になり、AさんがBさんの腕を曲げるというワークでした。

まずはBさんが拳を作って腕に力を入れ、まっすぐに伸ばします。
そこへAさんが力を入れて、その腕の肘を内側へ曲げようとします。

すると、二人は力を入れて押したり抵抗したりした末に、Bさんの腕が負けるかAさんが諦めるか・・という攻防の構図になります。

次に、Bさんは手のひらを開いて腕をまっすぐに伸ばし、リラックスします。そして足元から水を吸い上げ、手の指先から放水しているようなイメージをします。
Aさんは、先ほどと同じように、力を入れて、Bさんの腕を曲げようとします。

すると・・Bさんの腕はビクともしません。力は入れていないのに、動かないのです。
講師の話では、リラックスすることでエネルギーが自然に流れ、力を入れるよりも強くなる・・ということでした。

私は、「なるほど!このことは全てのことに通じるのではないか?」と思いました。

仕事をしている時や自分が何か“成功させたいこと”に取り組んでいる時、自分に力が入っていることに気づきます。
肩に力が入り、眉間にはシワが寄り、視野も狭くなっています。

ある時、保育中に、自分がこの力が入っている状態であることに気づきました。
視野が狭くなり、目の前の子ども達の落ち着かない状態を“なんとかしよう”と頑張っていたのです。
それに気づいた次の瞬間、
“なんとかしなければならない”という考えを一旦置いておき
その時やっていたことの手を止め、周りを見回しました。

すると「“なんとかしなければならない”ことは何もないかもしれない」と思えて来ました。

それと同時に子ども達も落ち着いているように見え、自分の中にあったバタバタしている感覚も消えました。

リラックスしている時ほど、周りがよく見えています。
そして、自然に任せることによって全体がスムーズに動くようになります。逆に、「うまく回るように・・」と頑張っている時ほど、うまく回らないという経験を何度もしたことがあります。

皆さんもそんな経験がありませんか?

その時の自分を思い出してみると‥
自分が思い描いた“理想の形”“方法”に持って行こうとしたり、
何かが“良くない”(悪い)という考えから直そうとしていたり、
自分の考えへの“執着”があることに気づきます。

自分で頑張ってぎゅっと握りしめていたエネルギーを手放すことで、自然と全体がうまく回りだし、穏やかで軽いエネルギーが動き出します

リラックスした場で、エネルギーが流れていることによって、自然にスムーズに力強く、世界は動くのですね。

「地球はこれ以上の成功者を必要としていない」
ダライ・ラマ法王14世

この言葉を思い出します。

力を入れて、成功者になろうとするよりも、
リラックスして心地よい世界を創り出す私たちでいることが、地球にも社会にも良いのかもしれません。


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