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子育ては、HOW TOよりもあり方から・・

世の中には本当に様々な内容の子育て本が出ています。
本屋で見かけたのは
「天才を育てるには、妊娠中に胎児に対して〇〇するべき」
という内容のものとか
「頭のいい子に育てるにはこうするべき」
「ほめる子育て」「叱らない子育て」など、実に様々なものがあります。
そして、インターネットでは「ほめる子育ては間違ってた!」という真逆の内容の記事・・。
一体何を信じたらいいのかと、世の子育て中のお父さん・お母さんが振り回されてしまいます。

これらの本や記事の内容のほとんどはやり方HOW TO本となっています。
初めて子育てする人にとっては、右も左もわからず、そこに書いてあることをまずはやってみる・・という人もいるでしょう。それも悪くはありません。
でも知っていてもらいたいのは、“子どもは十人十色”そして、その子どもに関わる大人も“十人十色”だということです。

子育て、保育、教育は、“やり方”だけでは、通用しないものです。
私たちは、「どうやるのか?」と、どこかに正しい『答え』があるように考えがち。「子どもを上手に育てる方法は?」「どうやって子どもを育てたらいいのか?」という“やり方”の答えを求める思考のパターンがあります。
そして、「ほめる子育て」や「この年齢ではこう接するべき」というように断定的に書かれていると、やり方がわかった気にさせられます。

実際にやってみると、口先だけでほめてみても、子どもには見抜かれてしまい・・、上手くいかないことも多々あります。そして、上手くいかないと「私は子育てに向いていないのかもしれない…」というように自分を追い込んでしまう人もいるかもしれません。
または、「うちの子には無理だわ」と子どものせいにしてしまう人もいるかもしれません。

以前、あるお母さんからこんな話を聞きました。
「保育園の保護者会で、Aくんはリレーで負けると悔しがって泣いて困るという話が出ました。でもBちゃんのお母さんからは、うちの子は全く競争に無関心で困るという話が出て、みんなでやっぱり悔しがって泣くような体験をした方がいいよねということになりました。」
この話は「悔しがることは良いこと」として結論づけられていました。
でも実際には、良いも悪いもなく、「Aくんは、負けると悔しがって泣いた。そしてBちゃんは全く競争には関心がない。」というだけの話です。
これは、比較して何かを評価するようなことでもありません。
この話から見える事実は、「個々に違いがある」ということだけです。
この保護者会での話のように、私たち大人はすぐに、どっちが良くて、どっちが悪いと、評価や批判をしてしまいがちです。しかし、何かが良くて、何かが悪いという話ではありません。


今は一人ひとりの個性や得意分野を伸ばす教育をしていくことが求められる時代です。
今までの古い思考パターンの「〜でなければならない」とか「どうやるか(HOW TO)」という考えから抜け出すことが必要です。

視点を180度変えてみてください。
「どう育てる」とか「何をさせる」という“やり方:HOW TO”ではなく、
「この子は今、何を感じているのだろう?」
「この子は今、心の中で何を体験しているだろう?」
と、子ども一人ひとりの内面の変化や反応外側に目に見えて起きていることの「あること」と「ないこと」を認識することが大切です。
「あるがまま」そして「ないがまま」を観ることができているということ。これがありのままを観ているということです。

子どもの立場に立つ…まるで子どもと一体になり、一緒に体験しているような視点に立つということです。
そうすることで「自分がどう子どもと関わるか」を考えなくても、自然と行動が呼ばれて出て来ることでしょう。

“今”目の前の子どもに共感し、共鳴する時、
自分の中から自然と湧いてくる行動や言葉は、“思考”からのものではありません。“ハート”(心)から湧いて来るのです。

普段使っている“思考”は、自動的に“やり方”を探しています。
でも、これからの新しい時代に、私たちが手に入れていくものは、“あり方=Be”です。
“あり方=Be”は、“ハート”(心)から創り出されます。
あり方とは、誠実さ・平和・平安・優雅・寛大さ・幸福・・などの、人生の質の現れです。

人類は個々人から構成されていて、それらの個人が彼ら自身の内で、より幸せで平和であるならば、私たちは幸せで平和な社会を達成することになるのです。…人間性というものは本質的には肯定的だと信じています。
                           ダライラマ法王

「ハート(心)から創り出されたあり方」から子どもと関わる時、肯定的な言動となります。
肯定的な言葉や行動は、肯定的な体験を子ども達の中に残します。
その一つひとつの体験が、子どもの力となり、子ども自身が将来何かの壁にぶつかった時に、その肯定的な力が大きく影響するのです。

子ども達は、これからの新しい世界を創っていく人材です。その子ども達が伸び伸びと生きる土台を創っていくのは、私たち大人。
私たち一人ひとりが、お互いに対してもっと愛情にあふれ、感謝して、全てを肯定的に表現することで、世界全体が幸福へと向かっていくのではないでしょうか。

https://www.new-edulittletree.com


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