お城のおそうじやさん #10
カラとフィンがおそうじかかりの部屋に戻ってきました。
そして「7-13」の部屋で起きたことをみんなに話しました。
「なんということなの。とても信じられない」
アデルは顔を強張らせています。
「ええ、信じられないわ。でもそれが事実よ。
大臣がわざわざこの部屋に来て鍵を奪った理由もこれで説明がつく」
レジーナが答えます。
「今の国王ってはっきり言って最悪。税金は高くなるし、生活は貧しくなる
一方。レオノール女王の時はそんなことなかった」
アビーはそう言うとカラの方を向きました。
「ありがとう、カラ。あなたがあの部屋に入ろうとしなかったら
誰も女王の存在に気づかなかったかもしれない」
「ううん。私だけじゃないわ。
フィンがいなかったらあの部屋には入れなかった。
ありがとう、フィン」
カラのお礼にフィンは照れ臭そうにして頭を掻きました。
「これからどうするつもりだい?」
アデルがカラに聞きます。
「やることは」
「やることは」
カラとレジーナが全く同じタイミングで言葉を発しました。
二人はお互いの顔を見つめ笑います。
そして一呼吸おくと続きを話しだしました。
「やることは決まっている」
フィンが聞きます。
「なにする気? ...もしかして」
カラは小鼻を膨らませて言います。
「魔法の杖を取り戻す。そして女王を元の姿に戻すのよ!」
つづく