完全試合の、証人となった日。
球場と言う現場通いを始め、記録帖抱えて試合内容を記録するようになってから、今年で34年。
その中で、本当に様々な名場面、時には珍場面、特段記事に取り上げられる事はないであろう普通の場面、とにかく様々な場面が白紙の記録帖へと埋められていきました。
ともあれ、印象に強く残っているのは歓喜の場面や、めったに見られない大記録や節目の記録だったりするわけです。
「いつかこの場面を記録するまでは・・・。」なんて思いが、現場に足を運んで記録する、と言う原動力になっているのかもしれません。
実際以下の名場面、歓喜の場面を見てきました。主なものはこんな感じです。
・通算250勝
西武東尾投手(1988年9月4日、所沢)
・ホークス優勝胴上げ試合
2003年9月30日(千葉マリン)、他所沢で2回
・ホークス日本一達成
2019年10月23日(東京ドーム)
・2000本安打達成
ロッテ福浦選手(2018年9月22日、千葉マリン)
・無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)
日本ハム柴田投手(1990年4月25日、東京ドーム)
西武岸投手(2014年5月2日、QVCマリン)
長いこと見ていれば、まぁこういった場面を見られる可能性は高くなるもので、次の試合で大記録が生まれるかもしれない、と言う淡い期待を抱きながら、現場へと向かっております。
そんな中、未だ現場で見たことがない場合を記録する、と言うのが夢という形になって現れます。
それが以下3つ。
・完全試合
・トリプルプレー
・サイクルヒット
この3つだけは現場で見てみたいですねぇ。めったに見られない場面だけに。
サイクルヒット自体は1992年のオールスター戦でヤクルト古田さんが達成(千葉マリン)したのを記録していますが、公式戦ではないので参考扱いにしています。
この中で最も見られる可能性が低いのが完全試合。
何しろ平成時代は1994年に巨人槇原さんが達成した1回しかないのですから。
いつの日か、完全試合達成の瞬間をこの目に焼き付けて記録したい。
自然と実現する日を夢見るようになりました。
そのためには、まずは現場に行かなきゃ始まらない。
そして記録する以上、最初から見ていないと始まらない。
それ以前に、確率から言って極めて可能性が低い場面に巡り遭わなければ始まらない。
そりゃ苦難の道になるわけですよ。
と言いつつ、令和4年(2022年)4月10日、数えてみたら公式戦通算1,091試合目となる現場、ZOZOマリンスタジアムへと向かった訳であります。
試合内容は、と言いますと、敢えて私がしたり顔で書いたりする必要はありますまい。
ネットをちょっと見ただけでも、試合の臨場感や興奮を詳細に書かれている方々が大勢いらっしゃいます。
私が書いた所で、現場で味わった歓喜や感動の何分の1もお伝えすることはまず無理でしょうし。
完全試合、と言う歴史的試合の証人になれた事、それが何にも代えがたい喜びです。
それに私が言いたい事は、試合内容のみならず、他にあるからです。
詳細は後述するとして、代わりにその記録がこちら。
とまぁ、こんな感じです。
で、言いたいことは何か、って?
試合終了、完全試合達成という歴史的瞬間を目撃した私が思わず口にしたのが、「生きてて良かった・・・。」という一言でした。
現場に通って記録帖片手に試合を見ながら34年、勿論現場に行く以外にも生活に必要な生業を続けていく中、決して平坦な道のりではありませんでした。
私だけでなく、生活していく事、すなわち生きていく事に楽なことだけではない、というのは皆多かれ少なかれ感じていることと思います。
中には生きていくことに疲れ果て、夢を諦めたり、挙げ句生きることすら諦めてしまう方も少なからずいます。
でも、どんな状況にあっても、夢を持つこと、生きることだけは諦めないで欲しいと思うのです。
大きな夢を掲げても、その多くは叶わず、失意の中夢を諦めざるを得ないことがあるかもしれません。
絶望の淵にあったとしても、諦めず、どうにか生きてさえいれば、ほんの僅かですが、全てとは行かないまでも、ささやかな夢ならばいつか叶う日が来るはずです。
私だって34年かかって、1,091回現場に行き続けて、ようやく夢が叶ったのです。
今は辛いかもしれませんが、どうにか上を向き、前を向いて進んで行って欲しいと願ってやみません。
私はと言えば、夢が一つ叶った訳ですが、上述の通り、まだ「トリプルプレー」と「(公式戦の)サイクルヒット」を現場で見る、と言う夢がまだ2つも残っています。
夢が叶ったのなら、また新たな夢を追いかけていけばいい。
残った夢が叶うまで、まだまだ私は記録帖片手に現場通いを続けるのをやめられそうにありません(笑)。