現場で記録。何が必要?
今度は球場で試合の記録をつけるには?という話をしてみたいと思います。
私自身は簡単な記録方法を教わったら、それこそ一瞬に近い形で記録方法を覚えてしまいましたが、あくまで「現場で記録してみたい」という気持ちが元々強かったからであって、皆が皆同じ形で記録方法を覚えるのはそりゃ無理ってもんです。
此処で記録方法について体系立てて説明しようとすると、相当長文になってしまいますし、そうなれば当然「連載」という形にする必要があります。
これを人に向けてわかりやすい形で進めていく・・・となると、表現力と気力が必要になる訳でして、果たして責任もって続けられるのか?となると、大きな疑問符が付いてしまうのが正直な所。
そもそも誰が読んでくれるかも判らないし(笑)。
とは言え、「記録方法は他のサイトや書籍を読んでください」というのも、何だか丸投げ感満載のような気がして、少々引っかかるものがあります。
それより何より、昭和の時代から今に至るまで現場に行って試合を記録し続けて得られた経験を自分の中だけに留めてしまうのは何だか勿体ない。
ということで、細々とではありますが記録に関する情報や方法などを、徐々に述べていきたいと思います。
まずは、何を用意すればいい?
・入場券(チケット)
何と言っても、現場に来て球場の中に入り、席に座らないことには記録できません。
NPBの場合、昨今の状況下と言うことだけで無く、混雑によるトラブル防止のため、全試合全席指定になりつつあります。
地上波放送の野球中継は激減しているのに、各球場とも当日券発売前に完売、と言うケースが増えているのは正直ちょっと驚きです。
各球団ともファンクラブ制度を導入していて、入場券の会員割引や、来場回数の多い会員から優先的に販売する、と言う制度を導入していて、ファンクラブに入っていないと切符の入手が困難になっている状況が見受けられます。
会費は各球団によってグレード等の差がありますが、一番会費の安い会員でおおよそ3,000円位から。
球団によっては1試合行っただけで元が取れる所もあります。
何処かのチームのファンの方も、そうでない方も、数回行っただけで元が取れて、一般より安く早く切符が取れるファンクラブに入っておいた方がお得です(特典や前売り発売日は各球団のWebサイトで確認お願いします)。
私は5球団のファンクラブに入ってます。そして何気にJAVAも(笑)。
・記録帖(スコアブック)
まぁ、そもそも記録するにはこれがないと始まらない。
前にも書きましたが、私が記録に興味を持ち始めた頃は、その辺のスポーツ店レベルでは置いてなくて、購入するまで随分苦労しましたが、今ではアマゾン、ヨドバシ等の通販サイトから検索すれば簡単に購入できます。
あとは記録帖のグレードにより価格は異なりますが、記録する中身は変わらないので、予算と相談して決めれば良いと思います。
・選手名鑑
NPBの試合を見に行くときは、ポケット版を持ち歩き、知らない選手が出てきたら、名前はどうやって書くのか、背番号は何番なのか、というのを確認して、選手名記入欄に書き込んでいます。
個人的なこだわりですが、選手の名前(漢字)は可能な限り正確に書くことにしておりまして、コンピューターの文字では表現できない漢字を使っている選手もかなりの数になります。
多いのが「高」とか「崎」とかの漢字でしょうか。
名鑑を発行している会社は各社ありますが、「正しい文字」で印刷されているものを毎年購入していまして、私は「別冊宝島」版を愛用しています。
アマチュア野球の場合は、入場口の脇で選手名鑑を販売していることが多いので、それを購入して参照するのが良いかと思います。
都市対抗とかメジャーになると、書店で選手名鑑を発行してます。
記録するのに必要なものは以下の通りです。
・筆記用具
試合の進行状況、結果を記録帖に書き込むには、当然不可欠です。
投球カウント、打撃、守備、走塁結果を一つ一つ記録していくわけですが、どうしても書き損ないや書き間違いが出てしまいがちなので、シャープペンシルをメインにして書きこんでいくことをお勧めします。
記録欄は小さいですから、ペン型の消しゴムを用意して、適宜修正できるようにしておきます。
紙に書いていくわけですから、梅雨時や湿気の多い夏になると、紙が水分を吸って文字が薄くなりがちなので、HBよりも濃い芯で書く方が良いです。
因みに私は2Bの芯を使っています。
また、それぞれの打撃記録に色を付けると、後々振り返って記録の集計を行うときに大変便利です。
私の場合は通常の黒色(シャープペンシル)の他、以下の色を使い分けています。
赤:安打、長打(本塁打含む)
青:四死球
緑:三振
橙:犠打、犠飛、打撃妨害出塁
紫:残塁
・双眼鏡
ネット裏とか、試合が間近で見られる席に座っていれば良いのですが、当然高額。
懐事情でそういった席にはなかなか座れないのであれば、是非準備しておいた方がいいです。
誰が送球を取ってアウトにしたのか、など記録する上で不可欠な出来事が、遠目では見えにくいことも多々あります。
(例えば盗塁アウトの送球を二塁手、遊撃手のどちらが捕球してアウトにしたのか、など)
この場合、双眼鏡で選手を確認して、記録として書き込んでいく、といった具合に使います。
扱いやすさからすれば、8倍程度のものがお勧めです。
・デジカメ
最近は一眼レフと大きな望遠レンズを使って選手の写真を一生懸命撮っている人も多いですね。
私はそこまで本格派では無く(かつては望遠レンズ抱えて試合の写真を撮ってましたが)、コンパクトデジカメで試合前の球場全景、試合後のスコアボードを撮って、記録の補助としてパソコンに保管しています。
場内の写真程度であれば、カメラ性能の優れたスマホでも良いと思います。
・温度計
試合時の天候、風向は旗の向きでおおよそ判りますが、私は小型の温度計を使って、気温と湿度を測って記録帖に書き込んでいます。
天気、風向、気温、湿度は試合開始直前の情報を書くことにしていますが、日が当たる場所にずっといると、太陽光で気温が異常に高くなってしまうので、通路の裏(日陰になる場所)で気温が安定するのを待ったりすることもあります。
ただ、こう言ったたぐいの小型温度計って、最近は軒並み販売終了して、なかなか手に入らないんですよね・・・。
また、突然電池が切れるので、予備電池はお忘れ無く。
・首掛けポーチ
上記の筆記具、小型温度計や、紙の入場券、ポケット日程表、温度計の予備電池など、様々なものを入れて、首からぶら下げて使っています。
特に筆記具はポーチに入れておかないと、いざ記録する時に行方不明になってしまうと困りますから、必須アイテムです。
こちらが私が首からぶら下げて、現場記録で使っているものになります。
その他、あると便利なものをいくつか。
・下敷き
大概のスコアブックは、見開きで1試合分記録できるようになっていて、裏面に次の試合を書き込むように出来ています。
そうすると、次の試合は前の試合の裏面に書き込むわけで、そのままだと前の試合に書いた記録ページが裏移りして汚れてしまうことが多々あります。
このため、前の試合のページに下敷きを挟んでおくことをお勧めします。
ボール紙や厚手の紙でも構いません。
・小型のメモ帳(できれば耐水用紙のもの)
紙に記録する、という事は、水は大敵です。
しかし、屋外球場で観戦するのであれば、雨天リスクは避けられません。
雨が降ったら大きなビニール袋で記録帖をすっぽり包みながら書く、と言うやり方は非常に難しいのでお勧めしません。
このため、雨が降ったら記録帖の本編に書いていく作業を一旦中断し、手のひらサイズのメモ帳に記録を書いて(サイズが小さければ雨に打たれる可能性も低いので)、試合後帰宅したら書き写す、と言う方法が現実的と思います。
一番適しているのは地質調査用の耐水用紙で作られている「野帳」なのですが、一般には出回っておらず、非常に入手困難です。
入手するのであれば、同じく耐水用紙の工事作業用野帳であれば、通販サイトで入手可能です(マス目が特殊なので、試合記録で使うには今ひとつですが)。
これも入手困難であれば、大きな文具店に行くと「耐水ペーパー」と書かれているメモ帳が販売されているので、こちらを入手して準備しましょう。
・スマートフォン
最早殆どの人が持っていると思いますが、試合前、試合中、試合後に記録した内容に誤りが無いか確認するために使います。
私が使っているのは以下Webサイトです。
・日刊スポーツ試合速報
場内のスタメン発表は概ね試合開始30分前ですが、こちらはその10分~20分前にスタメンを表示してくれるので、場内で発表される前に余裕を持って書き込んでおくことが出来ます。
但し選手名で難しい字が使われている時(「澤」、「邉」、「齋」など)は略字で表記されるので、選手名鑑との照合を忘れずに。
試合中は、誰がエラーしたか、今のは暴投か捕逸か、その場で判断しにくい記録をいち早く表示してくれます。
・yahoo一球速報
こちらも場内スタメン発表前にスタメン表示してくれますが、場内発表ぎりぎりの場合が多いです。
但し審判名も発表するので、最近の球場は審判名を最初に知らせるだけでスコアボードに表示しない所もありますから、その点が便利です。
試合中は投球数、投球ごとのカウントを表示してくれるので、球数を記録した記憶が曖昧になってしまった場合に役立つと思います。
・スポーツタオル(特に夏場)
球場外壁は壁が高いので、思った以上に風が来なくて暑いことがあります。
特に夏場だと顕著で、汗がしたたり落ちてくることも。
記録中はあまり動きませんから、気づかずにいると、汗が記録帖の真ん中に落ちてきて、えらく困ることも多々あります。
このため、スポーツタオル等(普通のタオルでも可)を用意して、使わない面(表の攻撃中なら裏のチーム記録を書く面)を覆っておき、汗が落ちても記録帖が濡れてしまう被害を軽減するために使うと良いでしょう。
必要なものが揃ったら、あとは球場、現場へ行ってみましょう。
えっ、記録方法が書いてないじゃないか、って?
いきなり覚えるのは難しいですから、追々進めていきましょう。
最後までお読みいただき有り難うございました。