「明治大シェイクスピアプロジェクト20年の軌跡」展示スタート
ネビュラエンタープライズ・おちらしさんスタッフの福永です。
U25世代に向けて、舞台芸術に関する情報を発信する「ユニコ・プロジェクト(通称:ユニコ)」。
ユニコでは昨年に引き続き、今年も「明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)」にしっかり密着させていただくことになりました!
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第20回を迎えた明治大シェイクスピアプロジェクト(MSP)ですが、11月頭に本公演を控え、稽古もますますヒートアップしているところだと思われます。
しかし、その一方で、舞台以外でも新たな試みにチャレンジしています。それが、明治大学博物館で開催されている展示「明治大シェイクスピアプロジェクト20年の軌跡」です。
MSP制作部が中心となって、MSPゆかりの品、主に前回の第19回で使用した衣装や小道具、その他創作に関わる様々な資料を展示し、別の角度から公演を盛り上げているのです。展示の初日にさっそく見に行かせていただきました。
明治大学博物館は、本公演が行われるアカデミーコモンという建物の地階にあり、学生のみならず、誰でも自由に入れます。会期は約2か月という長い期間で、途中には展示替えもあります。現在の展示が第一弾で、11月の本公演が終わった後は、その第20回本公演で使われたものが展示される予定だそうです。きっと本公演を観て感動した人たちは、気になってもう一度アカデミーコモンに足を運んでしまうことになるでしょう。それくらい見応えのある展示になっています。
長方形の部屋の中央には、第19回本公演『夏の夜の夢』『二人の貴公子』公演の際に、アカデミーコモンに掲げられていた懸垂幕が堂々と置かれていました。去年の懇親会(打ち上げ)の際に、メンバーたちが寄せ書きをしていたものがそのまま展示されており、去年度のメンバーの顔がすぐに思い出されました。
また、長辺の大きな展示ケースの中には、前回の本公演で印象的だった役の衣装たちが並んでおり、昨年観劇した者にとってはいろいろなシーンの記憶を蘇らせてくれる展示となっています。
ちなみにとても綺麗に展示されているので、てっきり博物館の方たちが並べてくれたのかと思いきや、展示物の選択、収集はもちろん、配置までも、MSPのメンバーが3日間をかけて行ったのだそうです。よりよく見せるために照明までも動かしたそうで、大変ながらも楽しんで準備している様子を収めた動画も特別に見せていただきました。
歴代のパンフレットに寄せていただいた著名人のコメントも「証言」としてパネルに展示おり、その面々の名前を見ると、改めてMSPの歴史と人気には驚かされます。
この日はコーディネーターの井上優先生と制作部で展示の担当をしている船場あかりさんにご案内いただいたのですが、いろいろなお話を伺うと、予算のない中、工夫と努力でここまでの展示を実現できたことがわかりました。例えば衣装を展示するための人台(トルソー)も舞台美術チームが端材で作ってくれたのだそうです。そうと聞かなければわからないほど立派な出来でした。
博物館の方もかなり協力的で、博物館にある什器はフル活用させていただいたとのこと、大幅な経費節減に成功したのだそうです。そんな苦労を感じさせない素敵な展示になっているところが、改めて素晴らしいと思いました。
すでに11月8日の展示第2弾のために、今年の本公演に関わるいろいろなものを、ちゃんと残しておくよう各部のメンバーと話しているそうです。きっと前半の展示をやってみて、「もっとこういうものが展示できたら!」「これがあったら盛り上がる!」など反省やアイディアが広がっていて、後半の展示にそれを反映させようとしているのだと思います。こんなところでも、積み重ねが次へ活きているのがわかり、おそらくこうやってMSPは様々な工夫や反省が先輩から後輩に引き継がれることによって、進化を続けてきたのだろうと垣間見えたのでした。
展示一つ一つに思い出や苦労話がある井上先生には、ここでは載せきれない程のエピソードも伺いました。きっと今回の展示も、来年のMSPに何かの形でしっかりと反映されていくことでしょう。どんな活かされ方をするのか楽しみです。
アカデミーコモンの外壁には、第20回本公演『ハムレット』の懸垂幕が掲げられていました。本公演は11月4日スタート。もうすぐです。
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