「来世は明治大学に入学して、MSPに参加したい。」#よりみちる
MSP観劇のあと、#よりみちる 。
こんにちは、おちらしさんスタッフの望月です。
U25向けの舞台芸術情報をお届けする「ユニコ・プロジェクト(通称:ユニコ)」を運営しています。
ユニコでは8か月間、明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)の密着取材を行ってきました。
今回は、ユニコ取材班の望月(あゆ)・ 臼田(ななみん)が、MSP公演『夏の夜の夢』『二人の貴公子』観劇後、ふたりでお散歩しました。
たくさんの感動と、温かさに触れた観劇体験。
ずっと、ずーっと、MSPの魅力をしゃべり続けていました。
その会話の記録を、ぜひご覧ください。
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ななみん: 4月から8か月間も取材させてもらったけど、あっという間だったなあ~。本公演の本番、最高だった。
あゆ: 本当にね。贔屓目なしでとっても良かったし、クオリティーが高かった…。
あゆ: 最初のショートコント、わたし爆笑しちゃった!
ななみん: あゆ、すっごい笑っていたよね!わたしはあゆのその姿を見るのも面白かったよ(笑)
あゆ: なんか、初っ端から笑いのツボを突いてきた感じ、やられた~って思った!(笑)それに『夏の夜の夢』と『二人の貴公子』でそれぞれ違うコントしていて、ああ、頑張って考えたんだなって思ったらとっても愛おしくて。
ななみん: コントが始まる前に言っていた「いっぱい笑ってください、笑うの難しいからコントします。」って、いいなあって。「いっぱい笑ってください」で終わらせないし、コントも、自分たちのためにするのではなくて、笑ってもらうためにしようっていう優しさを感じた。
あゆ: あれがあったから、緊張感なく安心して劇場に居られた。あそこでひと笑い起きて、お客さんたちが和んでるのがよかったよね。
全力だったなあ~。
ななみん:観劇後、出口のところでお見送りしてくれたのも嬉しかった。エスカレーターを降りるといっぱいキャストさんとスタッフさんたちが一列に並んでいて、すごい華やかだったな。上演が終ってすぐに、ばーって下まで駆け下りてきてきたんだなって。
あゆ: そういう心からの「おもてなし」を感じる舞台だなって感じた。
劇場に入る瞬間から出る瞬間まで、お客様のことを考えている演劇なのが素敵で、心遣いを感じる。
ななみん: なんだか、すごく真っ直ぐで誠実なおもてなし!
ななみん: パックが、最初、客席にいた!
あゆ: あれびっくりしたよね!!
ななみん: コントで起きた笑い声がひとりだけ残っていて、この笑い声誰だろうって思った瞬間、客席から舞台に飛び出してきて驚いた~。
パックは、本物の妖精みたいに軽々と動いていているよね。
あゆ: 実際に宙に浮いているんじゃないかと疑うほど、妖精になりきっていた。
ななみん: あゆはもともと『夏の夜の夢』は、どれくらい知ってた?
あゆ: 喜劇ということは知っていて、ロバ頭になるのはうっすらイメージがあったかな。でもこんなに濃い一夜の出来事を描いているとは思っていなかった。
ななみんはシェイクスピア好きだけど、他の本や舞台と比べて、MSPのシェイクスピアってどんな風に感じた?
ななみん: シェイクスピアの戯曲って、キャラクターがみんな全力で、面白く狂っている作品が多い気がするんだけど、戯曲の台詞通りにやると少し硬くなっちゃう上演を観ることがあって。
MSPのシェイクスピア劇は、それを本当に楽しくやろうとしているのが良いなって。
ななみん: 本当に面白く砕けて作品を作っているところが、わたしが好きなシェイクスピアの舞台だ~って思った。
あゆ: 本当にそう思う!「シェイクスピア」って聞くと、難しそう…と思いがちだったけど、MSPのシェイクスピア劇は言い回しとか演出とか、とにかく面白くて分かりやすかった…!
あゆ:カンパニーメンバーが一丸となって、一生懸命シェイクスピアと向き合っているのが伝わってきて、そういう誠実さが舞台でも表れているからこそ、分かりやすかったなって。
ななみん: 本当に好きでやっているのが伝わって、それが楽しかった!
あゆ: こんなに本格的な生演奏をするとは思っていなかった…。あと、楽器隊も舞台上で役者と同じ感覚で、役者として演奏しているのも素敵だった!
ななみん: タイミングを合わせるの難しくない?魔法がかかるところで、魔法がかかった動きと、その効果音としてフルート吹くのって。
あゆ: ダンスと歌も良かったなあ。劇が始まるときのダンスが良かった!
あゆ: コントから自然とシェイクスピアの世界に誘われている感覚もあったけど、あのダンスで完全に「観劇スイッチ」に切り替わった。
あと、ティターニアとオーベロンのダンスシーンもすごく好き。ダンスの雰囲気が対象的で、ダンスバトルを見ているみたいでワクワクした~!
ななみん: お芝居だけじゃなくて、ダンスや歌もあって、贅沢な時間だあったねえ。
あゆ: 『二人の貴公子』は、個人的に役者さんが良すぎた。
あと、殺陣のシーンがあら通しと比べて本格的になっていたなあ。スピード感とかキレとかに磨きがかかっていて、決闘シーンはドキドキハラハラした…。
ななみん: わたしが好きなのは、エミーリアがアーサイトとパラモンのどちらかを選ばなければならなくて悩んでいるシーン!
あゆ: 「どちらとも素敵で選べない…!」ってところね!
ななみん: 選ばれなかった方は死刑になるっていう…残酷な結末が待っていると考えると、エミーリアの思い悩むシーンは、一緒になって悩んでしまった…。昔はこういった極端で重い刑罰も身近にあったはずなのに、今だと残酷に感じるって不思議…。
あゆ: 昔はそこからいろんなドラマが生まれていたのかもね~。
あゆ: あととっても面白いなあと思ったのが、『夏の夜の夢』と『二人の貴公子』の舞台美術!全体的には全く同じセットだけど、上に吊るされている照明だけ形が変わっていたよね。
ななみん: 照明の形が、『夏の夜の夢』では「丸」、『二人の貴公子』では「四角」だったね~!
あゆ: イメージにぴったりの形だった。『夏の夜の夢』は朗らかで明るい喜劇で、劇中には月も出てきて、丸い形ががぴったり合うなあって。
ななみん: ダジャレみたいだけど「丸く収まる」ストーリーの感じとも掛けられそう~。
あゆ: 『二人の貴公子』は、笑いだけじゃない緊迫したシーンもあるからこそ、少し鋭さのある四角いイメージ。でもほわっと優しい光が悲喜劇の「喜」も感じられて柔らかさがある…。
ななみん: 剣や斧が登場するから、ナイフの刃のようなイメージあるかも。そう思うと、四角い照明がぴったりだねえ~!
あゆ: 舞台美術を少し変えるだけで、作品の雰囲気がガラッと変わるのがいいな。そして、全体の舞台美術は変わらないからこそ、「同じ出来事の中にある2つの物語」を感じることが出来た!
あゆ: 衝撃的な観劇体験だったな。来世はMSPに入りたい。
ななみん: もし入るとしたら、何をしてみたい?
あゆ: 衣裳部に入ってみたい!全然、知識はないけど!(笑)
ななみん: デザインから製作までするってすごいよね…。ひとつひとつの衣裳にコンセプトがしっかりとあって。
あゆ: 髪飾りや細かいところまでこだわっていて素敵。そういう風に「一球入魂!」で舞台を作っている人たちを、本当に尊敬する。
ななみん: 学生時代にそういう活動をするって、自信になるよなあ。
あゆ: 本当にそう思う!大学で同じ時間や体験を共有しているって、今思い返すとやっぱり大事なことだったな。カンパニーメンバーにとって、このMSPで過ごす時間がかけがえのないものになると思うと、ジーンときてしまった…。
ななみん: MSPだけじゃなくていろんなところでこの関係性を広げて欲しいなって。あと、これからもずっと、ここで出会った人たちとの関わりが続いてほしいな。
あゆ: 学生同士でひとつの作品をつくりあげる経験は、来世でもしたい!(笑)
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MSP観劇後のわたしたちの会話、いかがだったでしょうか。
ここには載せきれないくらい、ふたりで興奮しながらおしゃべりをしていました(笑)
先日閉幕したMSP本公演・ラボ公演は、YouTubeにてアーカイブ配信が行われています。
この機会に、ぜひ、ご覧ください…!!
◆ラボ公演『短夜、夢ふたつ』はこちら!
◆本公演『夏の夜の夢』はこちら!
◆本公演『二人の貴公子』はこちら!
▼公演の詳細はこちら▼