いろいろ届く(23/12/24)
お
歳暮の時期なのだ。いろいろと予想外の送り物が、予想外の日程と内容で届く。ネックウォーマーや手袋でしっかりと防寒をした宅配員さん達が、アパートの穴あき階段を駆け上がり呼び鈴を押し、足音に耳を澄ましていた私は、慌ててインターホンへ駆け寄る。
短いコマーシャルのような唐突さと手際をもってして、私たちはそれぞれの任務を終える。これから冬は、毎年こんな風に訪れるのかもしれない。雪やしびれるような寒さではなく、だいすきな人たちとの繋がりを感じることで。遠くにいる人たちのことを思う時間は、いつだってあたたかい。
11月の暮れ、以前住んでいたシェアハウスの大家さんから同居人宛に柿が届いた。最後に会ったのは今年の夏で、引っ越しの事情で残していった荷物を回収したときだった。実はこのとき内心、もうこれで関係は終わってしまうのかと思いさみしくて堪らなかった。(正直、ハグの気分だったほどに)
もう少し話していたいと思うより前に、私たちは出発しなくちゃならなかった。次に来られるのは、果たしていつになるのか、さっぱり見当がつかないというのに。人生はいつも慌ただしい。それがその美しさの要因のひとつではあるかもしれないけど。
でも、柿が届いた。物でなにかを示せと言いたい訳じゃない。ただ、つながっている、関係は続いているんだよ、と。そんな風に言ってくれているように感じて、それが純粋に嬉しかった。その思いがわざわざ、遠路はるばる運ばれてきたのかと思うと余計、なんだか目頭があつくなる。
これまた同居人宛てだが、今度は同居人のお師匠さんから大量のリンゴが届いた。(ついさっきのこと)
みんなに愛されているのだなと、またしてもひとりで感動してしまった。