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実は赤字!!大人気eスポーツのパブリックビューイングの常識を覆し予算0円で開催した話。

違和感。

eスポーツのパブリックビューイングの熱狂が本当に好きだ。元々サッカーが好きな私は観戦の楽しさを同じように感じていた。

その日もとあるeスポーツチームの観戦イベントに行き、同じチームを会場で一丸となって応援できてとても楽しかった。ただ気になることも少しあった。

心なしかスタッフが少なく運営の活気も無い。試合がもう少しで始まるワクワクする気持ちとは裏腹に私がこの日のパブリックビューイングに来た時に感じたのはそんな運営側の印象だった。

その真相を知るのはもう少し後のことだった。少し時間は流れた。

2023年、春。
「ノイエルさん相談があります」
esportsチームで働く知り合いから連絡があった。聞けば流行りのゲームタイトルでパブリックビューイングをしたいとのことだがゲーミングチームはイベント屋さんではないので東京のドコで実現できるのか、何か知っていたら相談にのってほしいという内容だった。
そのゲームタイトルはいくつかのゲーミングチームにパブリックビューイング開催の許可を出していた。

この話の相談を受けたのは偶然では無かった。

昨年からesports好きや業界で働く人が集まる月1回の交流会を開いたり、当時はまったく無かったパブリックビューイングを自分たちで楽しんでいた
※映像の権利の問題で個人がパブリックビューイングの開催を公募できないので、まずesports好きを集めたコミュニティを作り仲間内で観戦会をしていた。

開催の度にパブリックビューイングは数十万円の赤字

そんなわけで #esportsを盛り上げたい がためにチームのパブリックビューイングができる場所を探すことにした。

eSportsチームのイベントを開催したいときにある程度のスペースを借りる必要がある。物理的に人が集まりやすいように都内でも乗り換えの多い駅周辺を探した。

試しにeスポーツのイベントを開催している施設に問い合わせたところ、50名動員できる施設で最低でも担当者に「30万円の費用がかかります」と説明された。ちょっと驚いた

さらにeスポーツイベントはゲーム会社の意向で高額の入場料を取れないことが大半のようで、あるゲームの規約を聞く限りだと3,000円でも「ギリギリ攻めてるな」という印象だった。

仮に上記の施設で動員人数から考えると3,000円 x 50名でも15万円と場所代の半分しか回収できない。

他の施設も100名で予算60万円と規模の違いはあれど同じような価格だった。

なるほど以前パブリックビューイングに行った時にゲーミングチームのスタッフさんに覇気がなかったのはこのためか。予算がかかりすぎて当日の人数を減らすなど省エネにするしか無かったのか。しかも頑張っても赤字。
費用も実際には準備とか当日のスタッフの人件費とかを考えると、全然赤字も大きくなってしまうようだった。

とても納得した。
そしてそんな顔をゲーミングチームの人にしてほしくない、チーム、会場、参加者の全員が笑って過ごせるパブリックビューイングを開催させることを心に誓った。


(赤字に関して全てのeスポーツチームイベントがそうなのかは知らない。ただ一般的な例としては受け取ってほしい。また赤字を覚悟でイベントを開催してくれるチームには感謝申し上げたい。)

eスポーツを盛り上げる

このようにイベントの開催に対してはとてもチーム負担が大きいことがわかった。 #eスポーツを盛り上げたい という標語はどこに行ったのかそんなふうに思った。皆この標語を曲がりなりにも掲げているのにeSportsイベント開催にハードルつくってるじゃないかと。

私はこの取り組みをする以前は、イベントの開催にはゲーミングチームの持ち出しがほとんど無く、チケットなどで相殺できる費用感だと考えていたので正直驚いた。まさかの赤字。

驚いた自分の反応と施設側の反応は違った
実際に各イベント施設に連絡して概要を聞いた上で
「30万の用意は難しいので今回は開催できそうにありません」
と伝えると。
どこも「予算はいくらまでを想定していましたか?」と聞くので
「チームの持ち出しが無い状態で開催したいです」と答えると
みな「ちょwwwノイエルさん、それは無理ですよwww 私達も赤字になってしまいますので」
という感じだった。

ココで思ったことは2つあった。

ひとつは「まぁおっしゃる通りだな」と。実際、イベント会場は人通りの多い一等地、若者が行き交う主要な駅から徒歩数分。場所代にかなりの維持費がかかるのでチームの持ち出し無し、つまり0円での開催希望に対して笑われるのは理解できた。

ただ一方でこうも思った。「なぜチームに大きな負担がかかる形式で実施してるのだろう」eスポーツのイベント施設に対して「お前の #eスポーツを盛り上げたい を見せてくれよ!!」と言いたい気持ちもあった。

eスポーツコミュニティが作るeスポーツイベント

私たちの話になって恐縮だが、冒頭で紹介したとおり、もともと東京ゲーマーズHubというeスポーツ好きが集まるコミュニティ活動を続けていた。メンバーは都内近郊在住のゲーム好きやesports関連企業の人、コスプレイヤー、配信者などで、月イチの交流会やゲームイベントを開いている。

交流会は飲食店などで行い3000円くらいの単価で3時間飲み放題に食事が付く内容だった。このイベントに近い形式がeスポーツのパブリックビューイングにも利用できると思った。

そもそもパブリックビューイングを誰もしていなかった時代にどうにかみんなで酒飲みながらeスポーツ観戦したいなとコミュニティで始めたイベントでだった。(ゲームの権利上の問題でeスポーツ観戦会やゲームタイトルを掲示した参加者の公募はできない、そのため先にゲーム好きコミュニティを作り、コミュニティ内の催しとして開催していた。)

ココからはパブリックビューイングを0円で開催した過程の話をする。

まずゲーム大会の情報を知ることから始まった。
大会の時間帯は16:00 ~ 19:00がゲーム時間であることが事前にわかっていた。

そこでこの時間帯で集客に困っている飲食店を探した。すると深夜帯を中心に営業するBarで「うちの店だったらこの時間帯は普段客が少ないので人が集まるだけで嬉しいです」との連絡をもらえた。実際に過去の東京ゲーマーズHubで利用させてもらったことのあるBarだった。

途中でいろいろな調整ごとはあったがお店側が快く対応してくれて、まとめると最終的に決まった内容はこんな感じだった。

お店
渋谷駅から徒歩8分
広さは着席で30名、立席で50名ほど。
15:00 ~ 19:00にお店の全てのモニターをジャックしゲーム映像を放映。
お店は通常営業。パブリックビューイングのお客さんを優先して入店。

来店した参加者に1杯以上ドリンクを飲んでもらう。ワンドリンク制というやつだ。(ゲームの性質的に2,3時間の滞在が見込まれるので事前に2杯くらいはおかわりする可能性を伝えた。実際にそうなった。)
ドリンクは単価600円ほどだった。

お店としてはこの条件で引き受けてくれた。

また場所代は掛からず飲食の売上が上がれば良いとのことだった。お店はゲーム関係に詳しくは無いが、同イベントの動画サイトでの配信の同時視聴者数を知ってびっくりしていたイベントにお店の集客の意義があると感じてくれた。

参加者から見たパブリックビューイング
入場料無料 (1ドリングのオーダー)
試合開始予定時間1時間前の15:00にオープンして店内放映が開始
終了予定の19:00にイベントがクローズ
して店内放映が終了。
という内容だった。

イベント開始

実際のイベントでは想定外の出来事もあった。
会場を長い時間確保していない関係上、試合時間があまりにも早まってしまったため、オープンを早めたり、参加者に早めに来てもらえるように促さなければならず大変だった。

このあたりは会場を長時間おさえた形ではなかったので課題になる部分だなと思った。

実際に開催されてからは順調、白熱する試合に観戦者のドリンクも進み、お店の売上にも貢献。

お店も地下の空間にゲーマーだけが集まり、緊迫するシーンでは物音一つなく観戦者が見守るシーンも

また参加者も大いに盛り上がり飛び交う拍手と歓声

最終的に30名以上の参加者が集まったり、たまたま通りがかりのゲームファンが立ち寄ってくれたりと盛況だった。

チームの勝利もありパブリックビューイングは成功の様子だった。

イベント終了

esportsチームからは感謝の言葉をもらった
飲食店からも次回の開催を期待された

イベント参加者は飲食代だけで楽しむ事ができた。
一般的なチームパブリックビューイングで払うはずだった浮いた数千円は同チームのグッズの購入費用に充てられた。

有名なことばで任天堂のゲームプロデューサーがこういう事を言っていたらしい
良いアイデアとはなにか。それは同時に複数の問題を解決する
今回のパブリックビューイングの取り組みは良いアイデアだったのでは無いかと私は思った。

またイベントの運営に関しては私たち東京ゲーマーズHubのコミュニティメンバーで行い、参加者の案内やかんたんな司会などをした。ただただ楽しかった。参加者の中には東京ゲーマーズHubに参加してくれる人も現れてくれた。

esportsチーム関係者さんココだけは読んで。

実は最初に話した会場探しの時に「予算の兼ね合いで開催を断念するesportsチームさんもいくつかお話いただいてて。。。
みたいな話を聞いた。なので困っているチームがあるのを知っています。

もしお困りのゲーミングチーム関係者が居ましたら、お話だけでもしませんか? 

またこの記事を呼んでイベントやコミュニティに興味を持ってくれた方のご連絡を待ってます。

ここまで読んでくれてありがとうございます。私の手の届かないところまで届けたいので絶対拡散させてほしいです!!

赤字開催は悪い?

確実に申し上げたいのは、赤字開催は悪いことでは無いということです。チームが負担を追って、素敵な会場を用意してより視聴しやすい環境を作っているのは確かです。飲食店はすごく映像が観やすい環境ではないので。それでもBarで開催したアングラな雰囲気は良かったです。
またゲームイベントの開催のためのスペースを提供している施設に対しても尊敬しています。普段とは違った空間に浸れることは特別な体験に感じることができ、そのことが人々が観戦に集中するキッカケを作ってくれると思います。まるで映画館に足を運ぶように。いつかそんな空間でイベントがしたいと私も思います。

今回はゲーミングチームによって様々な選択があって良いと思っているので話をしました。

一番良くないのはesportsの熱意が他のものによって妨げられることです。
今回はその熱意を形にするお手伝いができて良かったと心底思ってます。

おまけ

次回の東京ゲーマーズHubのイベントはこんな感じです。

「全員コスプレイヤー!ゲームキャラのコス衣装を着てゲームする会」

「eスポーツ!」とか言いつつお肉の写真をTwitterにアップロードする人たちからインスピレーションを受けたeBBQというゲーマー、eスポーツ企業関係者、クリエイターを集めた初夏に肉を焼くイベント。7/15(土)開催予定。

まだこれからなコミュニティでDiscordも80名, Twitterフォロワーも数十人ですが「知らぬ1万人より、会える数十人」のメンバーとして誇りをもって活動してます。参加はDiscordに入るだけです。気軽にどうぞ。

※Discordは招待リンクです。




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