百nosukeOgataはサイコパス???考察③

引用/原作:野田サトル様/出版:集英社
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HyakunosukeOgataが好きと言うと、色香に堕ちたとか悪い猫が好きなタイプと思われがちだ。
…確かに、勇作を「たらしこんでみせましょう」と言う棒鱈尾形を、浅はかだな〜と思いつつ、いつの間にか勇作より自分がたらしこまれていた………
でも個人的に、魔性≒サイコキャラはタイプじゃなくて、本来なら杉元、鯉登、白石がタイプだ。
しかも中身少年、より中身大人の男の方が好きだ。
だからなぜオガタニオチタ?と思わずケンタウルスしてしまう。

母性本能や庇護欲が強い人が好きになるキャラという声には完全同意だし、あと、
闇中の天使みたいだから。
孤高な宿命をコントロールしようとする強さ…
エゴがもはや至純と化している様......
漫画キャラクターは誰でも超然としてるけど、それとはまた違う、血の通った神、のような。

あくまで個人的なイメージだが、アシリパが「大天使」杉元佐一が「堕天使」鯉登•頭巾ちゃんが「天使」だとすると、尾形百之助は【悪を着ぐるみのように着ている天使】のよう。
ウイルクの狼、江渡貝君の白熊、あのいつも羽織っている外套のように。
〜ウェンカムイオシコニ??

勇作とアシリパに言われたセリフをまんまインプリンティングで言うとか……
バブ??赤ちゃんなのかな??
大人びて見えるのに…

〖出典:ゴールデンカムイ165話〗
〖出典:ゴールデンカムイ147話〗

でも、真逆の【光に焦がれて止まない心を外套の中にひた隠している悪魔】かもしれない。
鶴見中尉が必要悪なら尾形は純粋悪だし、天使でも悪魔でもどっちでも良いのだ。
山猫だろうがのら猫だろうが可愛さは変わらない。

…ただの愛を語っているようですが、本質を洗い出す為でありますっ…うん…
「サイコパスなの?じゃないの?議論」を呼び起こすほどに究極形態。究極尾形。
「天使なの?悪魔なの?」
どっちなのかさっぱりわからないという極まりっぷり。
天上天下唯我独尊なのに、自分の魅力に超絶無自覚な男。

〖出典:ゴールデンカムイ59話〗

正直「愛のない親が交わってできる子供」なんて世の中に溢れてると思う。(愛は神と同じくらいあやふやだけれど)。
そんな状態でも愛を探してく健気な人もいるし、合理的に妥協してしまう人、月島みたいに蓋をして愛をシフトさせる人、皆それぞれ道を見つけて行く。
だけど尾形はずっと原点復帰ボタン押し続けてる。
お、押すね〜…

ネット上で個人的に大好きだったコメント↓
【複雑骨折した理論で殺すな】
【噛めば噛むほど味が出るスルメと化した男】
本当に、笑わせてくれてありがとうございます、とこの場でお礼を言いたい。

『誰から生まれたかよりも何のために生きるかだろうがッ』
生まれを根に持ってしまったとも取れるし、生まれ(家族)こそが大事だったのかもしれない。

…こんなボロボロな中身でむしろよく正気を保てたな?
社会的に自律して自立してるし、誰も病んでることに気付かない…どころか、正気にしか見えない。
[みんな俺と同じはず][オレはおかしくない]ずっとギリギリのラインに居た。
もはやサイコパスの定義塗り替えるのでは。
もうサイコパス超越してるのでは。

ゴールデンカムイ自体が変態×…いや…サイコパスをモノともしない⚪︎作品…そうではないだろうか?
現実の理を超える。
漫画とはそうでなくては。

*世に出す創作物として細かい間違いはあるだろうし、人気に異を唱える人は当然いるだろう。けど、「それわかってて描いてるんじゃ…?」っていうアリガチな批判よりは一手先にある作品だし、エンターテイメントとして簡単に真似できない境地なのは間違いない。
過小評価されているとは思わないが、正当な評価はいつされるのだろう、とは思う。

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結局…尾形は他のキャラクターのように国を背負ったり大義を貫いたり文化的コミュニティを護る•創り出す、という輝く大志•大きな愛を思っっ切り度外視したツワモノだったけど、
でも「[それ]が無ければどんな光も意味ない」と言わんばかりに原初的な何かで読者の心を揺さぶった。
ただ深く深くひたすらに、自分だけを見てくれる何か…。

才能は、持っていたらそりゃ使いたくなる。
でも社会的才能が下手にあったせいで、満たされないものを希求する心を、欠けさせることで保っていられた可能性もある。
おっ母の望みどおり将校になって、少尉も師団長も無効化…
おっ母の希望もろとも打ち砕きたかったのかそれとも、おっ母の無念を晴らしたかったのか...
一体、どっちだったのか...
宇佐美に対して怒りの目を向けていた時、心には自分の呪われた出自があったのか、それともおっ母への愛があったのか...
どっち...どっちなんだ百之助...

でもどちらにしろ、普通の人や本当に欠けてる人間には、その通りに行動するのは難しいのではないだろうか。

最期に勇作の愛を認識できた。

間違えてたことを[嬉しいか?]と自分に言えた。

ああ…でも 良かったなぁ…
光を与えられて殺されることを[良かった]と表現できた。

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最後まで一粒の涙も流さなかった百之助。

【ゴースト勇作は百之助の幻想だったとしても、あの妄想をするほど実際にブラコンだったのではないだろうか?兄様の闇堕ちを全否定したいほどに...。
実は愛の才能のある兄弟かもしれない】

【権利書手にした後尾形の元に戻った???
皮肉的ではあったけど、百之助の最高の笑顔を引き出した鶴見中尉。
ボルト抜きは尾形の得意技と知っていた?】

【白石をちょっと齧っていった羆】

【権利書チェイスから脱輪してまでロックオンで喧嘩して構っていった杉元佐一】

【和泉守兼定とスナイパーの相棒で不殺を守ったアシリパさんはきっといつまでも尾形を忘れないだろう。いつだって凛として優しかった、あのアシリパさんだもの】

【頭巾ちゃんなんて、虚実定かならぬ【スーシュカをフクースナする尾形】の至上の笑顔を描いて、百之助ファンまで幸せにしてくれた】

杉元佐一と一緒に地獄に堕ちようとしたアシリパ【【道理】】清い偶像なはずなのに一緒に銃を構えてくれた勇作


最期の尾形の姿は他キャラにとっては謎だらけ。でも何も知らずともヴァシリ・パヴリチェンコ画伯が昇華して表現してくれた【【メコ・寒さで死ぬるもの】】尾形と山猫の足跡を別々の轍にしつつ、でも母親の蔑称を蔑称としない終わり方...なんて...なんて巧みで粋なんだSatoruNodaKAMUY...!
尾形君が宇宙征服を考えていたらどうしよう的コメント大好きです。素晴らしい子を産んでくれて、本当にありがとうございました。
最高で完璧でした。

RIP尾形百之助。誕生日おめでとう。
明けぬ夜をもう歩み続けなくていい。
永遠の刻を生きる漫画キャラクター、だけど自分と同じ時代に現れ出てくれた漫画キャラクターに

祝福を込めて。

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