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自然脳の子供たち

最近幼い子供たちに触れる機会が度々でき、そんな子供たちを観察している中で、大人たちの人工脳に比べ自然脳が活発に働いている様を見るにつけ、羨ましい想いに駆られています。
 

子供は自然に近い脳?
子供の脳は非常に柔軟で成長・発達の過程にあります。例えば、新しい言語を学ぶ際、子供は非常に高い吸収力を持ち、自然と身に付けることができます。大人よりも好奇心旺盛で、新しい経験や情報を受け入れる柔軟性があります。
子供の脳のこの特性を「神経可塑性」と呼ぶそうです。
神経可塑性とは、経験や学習によって脳の構造や機能が変わる能力を指します。このため、子供は多くのことを迅速に学び、環境や経験に適応しやすいのです。
子供の脳が自然に近いと言えるのは、環境や経験によって形作られていく柔軟性と適応力にあるかもしれませんね。
 
神経可塑性について
神経可塑性(neuroplasticity)とは、脳が経験や学習に応じて変化し再構築される能力のことを指します。この能力は、特に幼少期において非常に活発ですが、成人になっても引き続き存在しているそうです。
神経可塑性のおかげで、私たちは新しいスキルを習得したり、損傷を受けた脳が他の部分でその機能を補ったりすることができるのです。
 
主なタイプとしては、以下のようなものがあります

  • 機能的可塑性:損傷を受けた脳の領域の機能を、他の未損傷の領域が代行することを指します。

  • 構造的可塑性:新しいスキルや情報を学ぶ過程で、脳の物理的な構造自体が変わることを指します。

例えば、新しい神経結合の形成や既存の結合の強化などです。
 
具体的な例としては、ピアノのような楽器を練習することによって、対応する脳の領域が拡大し、運動スキルや記憶が向上することが挙げられます。また、脳卒中後のリハビリテーションで、損傷を受けた脳の機能を別の領域が補うことも神経可塑性の一例です。
神経可塑性は、我々の生涯にわたって学び続ける力の源でもあります。なので、新しいことに挑戦することは脳の健康にとっても非常に良い影響を与えるのです!

可塑性が喪失することはある?
神経可塑性が完全に消失することはないようですが、年齢とともにその柔軟性が低下することがあると言われています。若いころの脳は非常に柔軟で、新しい経験や学習に対して迅速に適応しますが、加齢に伴い、その柔軟性や適応力が減少していく傾向があります。
しかしながら、脳の可塑性は生涯にわたって維持されるため、適切な刺激や学習を続けることで、年齢に関係なく脳の健康を保つことができるというのです。例えば、新しいスキルを学ぶことや身体を動かすことは、脳の可塑性を促進するのに役立ちます。また、瞑想や認知訓練、社会的な活動も脳の健康にとって非常に良い影響を与えます。
つまり、神経可塑性は年齢とともに減少するものの、適切なライフスタイルを続けることで、脳の柔軟性や適応力を保つことができるという事です。

頭の固い高齢者でもその可能性はある?
どんな年齢でも脳は神経可塑性を持っていて、年齢とともに柔軟性は低下するかもしれませんが、それでも脳は経験や学習を通じて変化し続ける能力を持っています。
頭の固い高齢者でも、以下のような方法で神経可塑性を促進することができます:

  1. 新しいことに挑戦する:趣味やスキル、新しい知識を学ぶことで脳を活性化させます。

  2. 身体を動かす:運動は脳の健康に非常に良い影響を与えます。ウォーキングやヨガ、ダンスなども効果的。

  3. 社交的な活動に参加する:他人との交流やコミュニケーションは脳を刺激します。

  4. 健康的な食事を摂る:栄養バランスの取れた食事は脳の機能をサポートします。特にオメガ3脂肪酸や抗酸化物質を多く含む食品は良いとされています。

  5. 十分な睡眠をとる:良質な睡眠は脳の修復と再構築を助けます。

  6. ストレス管理:瞑想や深呼吸、趣味の時間を持つことでストレスを軽減し、脳の健康を保ちます。

 
これらの方法を取り入れることで、年齢に関係なく脳の可塑性を高めることができます。いつからでも始められるので、日常生活に少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?

可塑性を妨げるものに、組織風土や社会文化の影響は?
組織風土や社会文化は神経可塑性に影響を与える要因の一つです。以下にいくつかの具体例を挙げます
 

  1. 環境の刺激:神経可塑性は新しい刺激や学習によって促進されます。しかし、保守的な文化や変化を嫌う組織風土では、新しい経験やチャレンジを避ける傾向があり、結果として神経可塑性が低下する可能性があります。

  2. 教育とトレーニング:継続的な学習やトレーニングの機会が提供されない場合、脳の可塑性が低下することがあります。進化や成長を支援する文化がある組織では、社員が新しいスキルを学び続けることが奨励され、神経可塑性が高まります。

  3. ストレス:高いストレスレベルは神経可塑性に対するネガティブな影響を与えることがあります。職場環境や社会文化が過度のプレッシャーやストレスを与える場合、神経の柔軟性が妨げられることがあります。

  4. サポートシステム:協力的な環境や支援システムがある場合、個人は安心して新しい挑戦に取り組むことができ、神経可塑性が促進されます。逆に、競争的でサポートが欠如している環境では、個人の成長や学習が阻害されることがあります。

 
これらの要因を考慮することで、神経可塑性を最大限に活用するための環境や文化を整えることが重要です。

認知バイアスなどは?
認知バイアスも神経可塑性に影響を与える要因の一つです。認知バイアスとは、私たちの思考や判断が無意識のうちに偏ったり、歪められたりすることを指します。以下のようなバイアスが、神経可塑性や学習に影響を与えることがあります:

  1. 確証バイアス(Confirmation Bias):自分の信念や期待に一致する情報だけを重視し、反対の情報を無視する傾向。これにより、新しい視点や情報の受け入れが妨げられ、脳の柔軟性が低下することがあります。

  2. アンカリング効果(Anchoring Effect):最初に得た情報や印象がその後の判断に強く影響を与えること。これにより、初めての経験や情報に縛られ、新しい学習や経験に対する適応力が制限されることがあります。

  3. ステレオタイプ(Stereotyping):特定のグループやカテゴリーに対して固定されたイメージや偏見を持つこと。これにより、多様な経験や学習の機会が減少し、脳の柔軟性が損なわれることがあります。


  4. 認知バイアスは無意識に働くため、気づかないうちに私たちの学習や思考に影響を与えることがあります。しかし、自分のバイアスを認識し、それに対処することで、脳の柔軟性を保ち、新しい情報や経験を効果的に取り入れることができます。
     
    近頃騒がしい「フジテレビ」問題の要因に神経可塑性喪失が関係している?
    フジテレビの問題において、組織の可塑性の喪失が一因となっている可能性はあります。組織の柔軟性や適応力が低下すると、新しい状況や問題に対して効果的に対応できなくなるでしょう。フジテレビの問題の背景には、企業文化やガバナンスの欠如が指摘されています。1,2,3

    例えば、フジテレビの問題では、コンプライアンス部門との情報共有が不十分であったことが指摘されています2。また、組織内でのガバナンスの欠如や情報共有の不備が問題視されています3。これらの要因は、組織の可塑性が低下していることを示唆しています。
    組織が柔軟性を持ち続けるためには、透明性の確保や内部通報制度の強化、継続的な学習と改善が重要です。フジテレビの問題を通じて、組織の可塑性を高めるための取り組みが求められています。

    1.note.com 2.www.fnn.jp 3.toku-mo.com

脳の可塑性の低下は、新しい概念(例えば多様性など)への理解を低下させる可能性がある?
脳の可塑性の低下は、新しい概念や情報を受け入れる能力に影響を与えることがあります。以下のような要因が可塑性の低下に影響を与えるといわれます。 

  1. 加齢:年齢とともに神経可塑性は低下します。

  2. ストレス:慢性的なストレスは脳に悪影響を与え、可塑性を低下させることがあります。

  3. 固定観念や認知バイアス:新しい情報や異なる視点を受け入れにくくする認知バイアスや固定観念は、脳の柔軟性を妨げることがあります。

  4. 運動不足:身体を動かすことは脳の健康に重要です。運動不足は神経可塑性を低下させる要因となります。 

  5. 認知バイアス:確証バイアス(Confirmation Bias)などの認知バイアスにより、既存の信念を支持する情報ばかりを重視し、新しい情報や異なる視点を無視する傾向があります。

  6. 文化的・社会的影響:特定の文化や社会の価値観が強く影響する環境では、新しい概念や価値観を受け入れにくいことがあります。このような環境では、脳の可塑性が十分に発揮されないことがあります。

  7. 経験不足:新しい概念や価値観に触れる機会が少ないと、それに対する理解が進まず、脳の可塑性が充分に働かないことがあります。

まとめ
好奇心旺盛な生活が大切!

好奇心を持ち続けることは、脳の健康や神経可塑性を保つために非常に重要です。新しいことに興味を持ち、学び続けることで、脳の柔軟性を維持し、適応力を高めることができます。
 
私の見解では、子供と触れる、若者と交流するなど、脳の可塑性が高い人たちとの交流によって、好奇心も刺激されるのではないでしょうか。
その際、大人、特に高齢者は多様性の観点を十分に認識し、謙虚に彼らから学ぶ姿勢が必要と思われます。その姿勢がないと自己主張や、上から目線など、説教や支配的意識が先に立って、好奇心など発生しません。
 
また、好奇心を持つことは、日常生活をより豊かで楽しいものにする素晴らしい方法でもあります。新しいことを発見する喜びは、人生において非常に大きな価値を持っています。
同時に楽しい、面白い生活は健康にも大きく影響するでしょう。


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