A causal link between prediction errors, dopamine neurons and learning

報酬系ドーパミン・ニューロンの活動と学習が関連していることはよく分かっている。ただ、因果関係についてはほとんど解明されていない。

先行研究では薬理学的手法が用いられてきた。腹側被蓋領域(ventral tegmental area, VTA)の不活性化やドーパミン・レセプターの拮抗薬(antagonist)や作用薬(agonist)などである。それらの研究は、薬理的作用がニューロンに代わり長期的に作用してしまうせいで、特定のドーパミン・ニューロンが行動に与える影響を特定することが難しかった。ドーパミン・ニューロンの能力を軽減したり消去してしまう遺伝子操作は学習を変えることが分かっているが、似たような問題に直面する。それは、報酬が到着する瞬間、のドーパミン・ニューロンの活動による影響が評価できない点である。

他の研究は光遺伝学の手法により一時的にドーパミン・ニューロンを操作することができるが、報酬を伴う学習で行動を活用することに失敗している。

※光遺伝学(optogenetic)光を照射して、標的となるニューロンを興奮させたり抑制させたりできる


実験1
optogenetic neural manipulationでブロッキングできるかやってみる。
音Aが出たら、砂糖(reward)のトレーニングをしたラットをブロッキンググループとコントロールグループの2つのグループに分ける。

ブロッキング群
訓練:音A→砂糖(これは共通)
単一刺激:音A→砂糖
組合せ刺激:音A & 光→砂糖
テスト:光にどう反応するか?

コントロール群
訓練:音A→砂糖(これは共通)
単一刺激:音B→砂糖
組合せ刺激:音A & 光→砂糖
テスト:光にどう反応するか?

<結果>
単一刺激:ブロッキング群・コントロール群同じくらいの学習
組合せ刺激:
ブロッキング群は最初から学習済
コントロール群は最初は分からなかったが学習した
テスト:
ブロッキング群:全然部屋にいない
コントロール群:ブロッキング群より部屋にいる

実験2

予測エラー(reward prediction error, RPE)
optogeneticで学習しちゃうかどうか実験。

グループ1 (PairedCre+)青
遺伝子操作あり(Th-cre+)かつ
AXの時にoptical stimulationあり
グループ2(UnpairedCre+)オレンジ
遺伝子操作あり(Th-cre+)かつ
AXの時にoptical stimulationなし
グループ3(PairedCre-)グレー
遺伝子操作なし(Th-cre-)かつ
AXの時にoptical stimulationあり

<結果>
グループ1:最初は反応していたのに、全然反応しなくなった
グループ2と3:最初から反応薄い

実験③

グループ1 (PairedCre+)青
遺伝子操作あり(Th-cre+)かつ
AXの時にoptical stimulationあり
グループ2(UnpairedCre+)オレンジ
遺伝子操作あり(Th-cre+)かつ
AXの時にoptical stimulationなし
グループ3(PairedCre-)グレー
遺伝子操作なし(Th-cre-)かつ
AXの時にoptical stimulationあり

Downshiftで最もペースが遅かったのはPairedCre+

遺伝子操作していない群:Th-cre-

このラットは、wild-type littermatesは遺伝子操作をしていない(野生型という)同腹の子


チロシン・ヒドロキシラーゼ、チロシン水酸化酵素

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