エルスバーグの逆説
エルスバーグの逆説(Ellsberg Paradox)とは、不確実性下の意思決定における逆説であり、期待効用理論における独立性の公理に対する反例の1つ。
原典を分かりやすく簡素化した例。
箱Aには赤いボール50個、黒いボール50個
箱Bには赤いボールと黒いボールが合計100個で内訳は分からない
問1
赤を引いたら1万円もらえます。黒を引いたら何ももらえません。
AとB、どちらの箱から引きますか?
問2
黒を引いたら1万円もらえます。赤を引いても何ももらえません。
AとBどちらの箱から引きますか?
ほとんどのヒトが、問1でも問2でも箱Aを選ぶ。なぜ逆説なのか?
問1でAを選ぶということは、
Bで赤を引く確率50%未満(=黒を引く確率は50%以上)
と見積もっているということ。
しかし、問2でもAを選ぶということは、
Bで黒を引く確率は50%未満
と見積もっていること。
効用仮説では、それぞれの結果に対して確率を掛け合わせた総和を効用として認識するとされているが、ヒトは主観的確率でさえ一貫していない。
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