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Sonatine Op. 3 〜「やりがい」と「生きがい」〜
「やりがいのある事でお金を稼ぎ、生きがいを感じることにお金を使う。」
誰かがテレビで言っていた言葉で、まさにその通り!と思った。
私自身キャリアのすべてをマーケティングの領域で生きているが、この仕事が大好きである。ゆくゆくはクラシック音楽のマーケティング(主にはブランディング)をがっつりやりたいと思っているほど。マーケティングという言葉が示す範囲は多岐に渡るが、私にとってのその面白さはクリエイティブな領域で人々の態度変容を促すことができること。イメージが変わった、こんなにかっこよかったっけ?と思わせるような、ブランディングの領域が特に好きだ。
大変なこともたくさん経験してきたけど、総じてマーケティングが好きで、日々変わりゆく業界の中で、NFTやらWeb3.0やらといった横文字だらけの新しい世界を実務を通して勉強し続けられることは、私にとって刺激的であり、やりがいを感じられることである。
一方で、クラシック音楽、ピアノ演奏は私にとっての生きがい。
仕事ではトレンドとか最新テクノロジーなんかと向き合うことが多いのに対し、生きがいと感じることは約2-300年前に発展したクラシック音楽の世界という、真逆の世界に浸っているということがまた面白い。
仕事が終わってピアノや楽譜と向き合う時、目の前に広がる世界は何百年も前に作られた作品で、その時代に生きた人の感性やその土地で起こった出来事などを勉強し、自分なりに想像しながら音楽を作り上げていく。この時間が何とも言えない快感になっている。
なぜ何百年もの間、素晴らしい作品と言われ続けているのか、の所以を探す時間が好きだし、この時代のトレンドがこうだったんだなとか、今やっていることと重ね合わせるのも面白い。
現状ざっくり年間100万円くらいの投資をしている計算になるのだが、まぁまぁな出費である。(レッスン代、練習室代、コンペ代、ステップ代、発表会代などなどの総計)
私はマーケターとして(まぁ自分の性格も相まって…)、何かこのブランドがやったことのないようなことをやりたい時、誰に何と言おうとこれをやると決めたことは自分を信じて貫くことを一つの信念としている。そういうものに対しては決まって賛否両論があって、でも逆に賛否がたくさんあった方が成功だとも思っている。私自身も分かっているし気にしないというか、へ~そうなんだ、くらいにしか思っていない。
ベートーヴェンがロマン派への扉を開いたとか、リストが近代音楽への変遷を地固めしただとか、後から理由付けされて評価されることが多いと思うが、その時代のその曲にはきっと恐らくたくさんの賛否があったんだろうなと思うと自分も頑張れる(過去の出来事から想像で励まされるという不思議な現象(笑)。
つまり何が言いたいかって、「やりがい」と「生きがい」は表裏一体みたいなものでつながっていて、結果的に2つの両輪を回していくことが、互いに刺激しあい、何か面白いアイデアが生まれたり、より生産性の高いアウトプットが生み出せるようになるのではないかと思っている。
実際問題私がピアノを再開した3年前から今日に至るまで、そう感じたことは少なくない。(ピアノを再開したきっかけはまた別途書こうと思う)
例えば譜読みはプレゼンのデックを仕上げる工程と似ていて、全体の骨子をまず完成させて詳細を埋めていく。譜読みも全体の曲調、テンポ、ストーリーの変化など骨子を掴んでから、細かく区分けして音作りやテクニックの習得に入る。そんなことは巷でよく言われていることだ、と思われるかもしれないが、子供の時にはそんなことに自分から気付くことは無かった。
あるいは、クラシック音楽と富裕層の親和性は非常に高く、そこからたくさんのマーケティング施策を実施して、これに限ってはある意味公私混同かと思ったけれど、結果的に大成功したりと。(これも、公私混同マーケターについて、また別途書こうと思います♪)
「やりがい」と「生きがい」
共通項は「好き」であるかどうか。
パッションが無いと続かない。
継続は力なり。
そんなこんなで、今日もまた、マーケティングのお仕事とピアノに向き合うのである。
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筆者情報:
井上朋子(いのうえ ともこ)
外資系企業にてマーケティングに従事。3歳からピアノを習うも、高校・大学でのアメリカ留学を機に本格的なレッスンはストップ。その後、2019年よりピアノを再開。