年に一度の、苦しくて大切な日。
11月30日。
母の命日。
今年で5年が経ちました。
あっという間だなぁ。
今年はたまたまお仕事がお休みだったので
朝からお墓へ行って
毎年ひとつずつ増えていくお花と
母好みの美味しい
お酒探しのお買い物へ。
残された側が想像するように
天国へ行った側から
この世にいる自分のことが
ほんとうに見えてるのかは
わからない。
もしかしたら肉体だけでなく
母という存在自体がもはや
消滅してしまっているのかもしれない。
お墓参りも、
毎朝毎晩の挨拶も。
自分自身の罪悪感を薄めるための
行動に思えることがある。
なにやってるんだろう、って。
たまにそんなことを思うけど。
それでも母の喜ぶ顔を想像しながら
お花やお酒を選ぶのは楽しかった。
ひどい子供だったけど
生前、誕生日と母の日に
プレゼントだけは欠かさなかった。
本音とは裏腹に
どれだけ普段ひどい態度をとっていても
ありがとうやごめんなさいが
言えなくても、
特別な日の贈り物は欠かさなった。
そういう口実がないと
そういう形でしか
自分の気持ちを伝えることが
できなかった、意地っ張り弱虫。
いちばん大切なのは
「ありがとう」と「ごめんなさい」を
ちゃんと伝えることだったのに。
物をあげるんじゃなくて、
心を伝えることだったのに。
「相手にちゃんと伝えなければ
なにも思ってないのと一緒」
自分が追い詰めたわけではないけれども、
母の心を助けてあげられたのは
自分だけだったな、って。
そんなことを考えながら
苦手なワインを飲んでみる夜。
もう、悲しくはない。寂しくもない。
だけどもう一度だけ会いたいなぁ。