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第29話 地域力は非常時に
東日本大地震が起こった4日後、私は被災地に立っていました。
仙台で学生生活を過ごしたので、東北には思い入れがあったのかもしれません。
その時は関東も大混乱で、自分の生活もままならない状態ではありましたが何もできないことに苛立ちを覚えていました。そんな折に知り合いから偶然にも声がかかり迷わず被災地に向かいました。
深夜の東北道はデコボコして走りづらかったのを今でも覚えています。福島を通過する時は原発のことが怖くて仕方なかった。
現場の避難所に着いて現地のコーディネーターに運んできた物資を引き継ぎ、避難所でできることを探して動きました。理学療法士としてはほとんど何もできず、悔しい想いもしました。
なぜ震災のことを話しているのかと言うと、その時の経験が私の現在の考えに大きな影響を与えてくれているからです。
地域力
その差が大きいと感じました。
地域力がある地域と、少ない地域。その差があの非常時に大きく影響を与えていました。昨日も書いた“知っているよ”という事がとても大きかったのです。その他にも強いリーダーがいる事、信頼関係がある事など、いろいろな要素が影響をしていました。
非常時のための地域力ということではなく、平時の地域力が明らかになるのが非常時という意味です。
強い地域を作っていきたい。この思いは私の原点です。