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土器を見に行く 駒ヶ根市ふるさとあゆみ館
農作業によるおあずけが続いたけれど、ようやく土器にありつけた。
ここの縄文土器は少ないけれど、展示室は一人でいつまでも見ていてOK。落ち着いて土器を見続けられる環境って、実はあまり無い。ちゃんと監視する人がいたり、カメラがついてたりとか。もちろんセキュリティ上当然のことだけど、本っと当にちょっと、ほんのわずかだけ、背筋に緊張が残る。
そうやって見るのもアカデミックな有り難みが出てくるから味わい深いけれど、ここのようなラフさは刻々失われてゆく気がする。気楽に見に行けるうちに行っておくべきかもしれない。
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これは渦なのか?同心円なのか?
縄文生成物は、形の始点と終点の設定がかなりラフなので、こういった困惑に追い込まれることがよくある。
しばらく見てると、やっぱり渦じゃないような気がしてきた。まるで区画に同心円が閉じ込められてるみたいな…ってこれ、ひょっとして、石を投げ込んだ水面か?
相変わらず簡単に頭がスパークする。これだよこれ。妄想のブースターがロケットエンジンになる感じ。
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若干エグ目の把手もいい。立体感覚を映像感覚が凌駕している作り手がおぼろげに見えてくる。
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蛇まみれの大瓶。
真ん中の細いニョロニョロはサイズ的にミミズだけど、ミミズはこんな風に這わないので、やっぱりミニ蛇だと思う。
陸橋っぽいレリーフの上にもあちこち乗っかっている。
大瓶だからってやりたい放題の蛇たちに混ざってこっそりと、中央左の虹のようなアーチの一部から、突起がニョンとはみ出ていて、速攻で「曲がりはじめて」いる。
あちこちの土器で猛威を振るう無遠慮なグルグル渦たちも、最初はきっと親指姫だったのかもしれない。貴重な生後まもなくのショット(妄想です)。
あと短い彫り跡が全面にあって、ちょっと田舎っぽいところもいい。陸橋レリーフが見事過ぎることで中和されてちょうどいい。
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もはや古文書に見えてくる唐草。
蛇の蛇行が度を過ぎるとギザギザになってしまうのがよくわかる。当時から交通法規はあったのだ(過剰妄想)。
蛇もいくら神聖視されてるからって調子こいてると、いつの間にか模様にされちゃうよ、という戒めだろうか。
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そして見逃すものか。芋虫発見。
今芋虫って書いちゃったけれど、いろんな「こいつ」を見ていると、どうも芋虫というより、ナメクジの方が近いのかも、と思うようになった。
以前の記事で、粘膜の生成性について書いたのだけど、土器が粘膜変換装置だとしたら、そこに這うのは同じ粘膜生物のナメクジじゃないかと、つい、思ったんですね。
現実でも、雨の日によくコンクリ壁を這ってるナメクジだから、土器にだって這っててもいいはずでは?
つってもコンクリと土器は違うか…いやいや。ここは「硬い壁」とひとくくりにしてしまおう。
当時のみなさんも、雨上がりに土器で煮炊きするうち、
「しかしなんで土器にナメクジが寄ってくるかねえ」
と気が付き、そんなに土器が好きならいっそ…と、ダイレクト描写に及んだりしたのではないだろうか(妄想です)。
「線分」のナメクジが際限のない「直線」に変異してようやく、「粘土の紐」が始まる…というのは妄想が過ぎるか。でも、できればそうあって欲しい。
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この唐突な四隅のパーツにもやられた。
これ、佇まいといいサイズといい、すばらしく「人骨」なのですよ。中に骨入れてたのか?ってくらい骨っぽい。
人骨上部の「2つ穴」は、あちこち近隣の土器を見るうち、どうしても気になってしまう要素。2つ穴って本当にしょっちゅう出てくる。これだけをずっと考えていたい時もある。
すっげえ屁理屈感に満ちた言い方をすれば、これ、「構造の軸が切り替わる分岐点」に思えてくるんですね。ジャズのモード奏法でキーが移動する瞬間というか、そういった境に、いつもこの「2つ穴」があるように思えてまいりまして。
しかも急に顔扱いになったり、覗き穴扱いになったり、あまりにもパーツとして都合良すぎというか、「融通」を立体化したらこの形になるんじゃないかなんて言いたくなるような、とにかくずっと気になっております。恋か?恋なのか?
ちなみにこの時代の人たち、骨髄を食う習慣があったそうです。そのつもりで見ていると…単なる具象か?食べカスを貼り付けたのか?
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そういえばさっきの自由すぎる唐草文様土器のヘリに見覚えのある「ウサちゃん」が。
これも気になっている。1upキノコみたいに、たまにピョロっと登場する。
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結果的に居座りまくってしまった。
弥生、奈良時代の土器や、地元ゆかりの農具なんかも置いてあって、味のあるいい展示室です。穴場を見つけた気分になりました。また行こう。