本日のキモノお品書き 壱ノ一
本日のキモノのお品書き 〜 壱ノ一 《外装篇》 〜
●単衣の長着(ながぎ) ←自分で縫った
【青海波小紋のシルクウール】
和裁を習っていた20数年前に、初めて母用に縫った単衣の長着。
母は軽くて暖かくて着やすいウールの単衣が欲しいとの事だったので、長年箪笥に眠っていた鮫小紋柄のシルクウール(手触りからおそらくシルクも入ってるかと)の反物を使って単衣仕立てを習いました。
肩当てと腰当ては、滑りがよく着心地が良いからと和裁の先生に勧められてた洋風用の裏地「ベンベルグ」を着物の色に合わせて購入、衿裏は晒(サラシ)、広衿(ひろえり)のズレ防止は引き糸方式ですが、お教室で習ったのは幅広く留められるちょっと複雑?な引き糸でした。ちなみに金属スナップは経年変化で緑青がでて着物のシミになってしまう場合があるので使いません。
母用の採寸で仕立ててるので若干身幅が広く袖丈が短いですが全く問題ない範囲です。
結局母は一度着たかで20数年近く箪笥に眠っていた長着です。
シルクウールは薄くて軽くて暖かいので秋から冬にかけては本当に重宝。
私がバンバン着ることにします。
●絞りの名古屋帯 ←叔母の手作り
ハッとするあざやかな紫色の絞りの正絹染帯。
布の薄さから推察するに、もしかすると長襦袢地を使って叔母が自分で名古屋帯に仕立てた可能性大です。
ほぼ毎日キモノで過ごしていた叔母(四人姉妹の長姉、母は末っ子です)は、気に入った布や着なくなった着物をほどして作り帯や名古屋帯に自分でチャチャッと仕立て直していたのですが、帯芯はその時その時手元にあるものを使うらしく、色んな硬さに仕上がってます。
中でもこれはとにかく柔らかい芯地で私は「紫のヘロヘロ帯」と呼んでいます。
手触りからするとなぜか芯地はメッシュ状。
絞りの布地が薄く柔らかいので、固めの芯地だとすぐに布が擦り切れてしまうのであえてヤワヤワな芯地にしたのかもしれません。
特に手先の部分がヘロヘロなので、お太鼓に結んでも銀座結びの雰囲気になるなかなかにクセのある帯です。
●紫の帯揚げ←購入
20年位前に偶然見つけたシルクのスカーフ。
グラデーションが美しく細長かったのでこれは帯揚げとして使える!と何色か揃えて買ったうちの1枚から帯に合わせて紫をチョイス。
●帯締め ←母のもの
グレーの青海波と濃紫の絞り帯と赤紫の帯揚げをしっくりとつなぐ透明感のあるクリーム色(浅黄蘗色)をチョイス。
房がチリチリだったので、小鍋にお湯を沸かした湯気で整えて使用。
●提げもの(根付&姫印籠 )←根付は自作、印籠は購入
・根付「緋鯉」(象牙)2004年作
・姫印籠「果実研出蒔絵 御印籠」作者:白井松丘
●扇子 ←叔母の茶扇子
お茶をしていた叔母の茶道用扇子の中から、今回は黒塗りをチョイス。着物に合わせて白竹のものを選ぶときもあります。
●簪(かんざし) ←自作
ピンク珊瑚を象嵌した象牙の簪。落ちにくいようとにかく軽く、そしてどのようなキモノにも合うようなシンプルな抽象的デザインにしています。
● 革バッグ「龍」 ←小間物屋徳右ェ門 謹製
母と立ち上げたオリジナル小間物ブランド『小間物屋 徳右ェ門』の作品。
私がデザイン、レザーカービングと縫製は母が担当のオリジナルコラボ作品。(詳しくはまた改めて)
両面に龍(正面龍と真横龍)をカービングした手縫&手染めの革バッグです。
●袂おとし ←小間物屋徳右ェ門 謹製
〜外装篇〜に入れるべき悩みましたが、こちらも母と立ち上げたオリジナル小間物ブランド『小間物屋 徳右ェ門』の作品。(デザインは私、縫製は母)
紐で繋がった2つの小物入れで、長襦袢の上に首からかけて両袖の中に落とし込んで使う江戸時代から使われる便利グッズを現代風に復刻したもの。
片方に交通系ICカードを入れておくと、改札通過も袖ごとタッチするだけでスルー。
もう一つには小さなハンカチや名刺を入れておくと立食パーティーの時などバッグ要らずでこれまた便利です。
もちろん、鏡やちょっとしたお化粧直しの品を入れておくのも便利。
■次回〜内装編〜(見えない内部の和装小物)に続きます。長襦袢と半衿は内装編に入ります。
※このWEBサイトで使われている画像等の転載を禁止します
Reproduction is prohibited.