テリーライリーをみた
感想
10月13日、東本願寺能舞台(普段は非公開だそうです)にてテリーライリーのライブを観てきました。
御年88歳ということもあり、スタッフの方同伴で橋掛かりから舞台へ。が、およそ100分間休みなしでの演奏でした。
彼の用いる音色はオーソドックスなもので、シンセのパッドやエレピの音、「アンビエントってこんな音するよね」という音でした。だからこそ、小細工なしの深い音が正面から向かってきて、面食らってしまいました。
日取りは運も含めて完璧だったと言えるでしょう。舞台は屋外で、風の音や鈴虫の鳴き声も違和感なく入ってきます。最近急に冷え込んできたので、もう少し開催日が遅ければ寒くてライブどころではなかったかも。
演奏が始まるとともに、白い装束と面をしたものがゆらめきゆっくりと橋掛かりを進んでいきます。以前能楽を拝見したことがあり、生半可に知識があったので「きっと人ならざるなにかなのだろう」と思っていました。
弟子のサラさんでした。
舞台上に面を掛ける用のポールがあって、途中から2人目のキーボード・パーカッションとして演奏に参加されていました。カホンがそれはもううまい(音楽視聴経験が乏しくイキリカホンしかみたことのない私には余計に強く印象にのこりました)。
中盤の演奏は何だったのでしょう。2人ともタブレット?を触っていて「ネットサーフィンをする男女」みたいな絵面でした。Kaossilatorみたいなリボンコントローラーとサンプラーがくっついたアプリケーションで操作していたのだと思います。
演者は2名のみで、シーケンサでつなぐわけでもなく。一歩間違えれば無秩序に音が出てくるだけになってしまいそうです。パターンやリフレーンを崩しにかかる場面も多く、どうやって構成されているのかよくわかりませんでした。リズムはもちろんのこと「プリセット切り替えのボタンを押したのでたしかに別の音がでます」みたいな音の切り替えをするのですが、ライブが崩れることもなく。。。
あとがき:客層の謎
超満員の能舞台が水を打ったように静まり開演。終演後満足そうに帰る彼らは一体誰?
私は、仮に終演後アンケートがあったとしたら
METROのSNSをみて
去年のAMBIENT KYOTOが良かったから
とかに丸をつけたはずの客です。みんなそうなのかな。
note仲間が今年のサマソニに行って、感想を共有してくれたのですが、「運営は客の嗜好を把握していて、ルートを数パターン用意しているのがタイムラインから伝わってくる」という趣旨のことを言っていたのがなんとなく頭に残っています(端的には、BLURとYOASOBIは別の客層、ということです)。
では、アンビエントとかミニマルのお客さんって何者なんでしょうか。大物アーティストに安くないチケット代。腹にカルチャー抱えたツワモノだらけなのかも(おとなりの缶ボトルワインおじさんもきっとそう。シラフで聴いたらもっと良かったかもしれないけどね。)。
それか、単に私のアンテナが錆びついていて、アンビエント好きのコミュニティを捉えられていないだけかもしれない。
謎です。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?