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【アルバム紹介】時給5000兆円 / 田島ハルコ, バイレファンキかけ子(2022)
はじめに
本日紹介するのはこちらのEPです。最先端です。
パワフルな歌詞に合わせるかのような音の詰まり具合です。高いところでバランスが取れているように思います。
たまたま見つけたアルバムなのでどういうコミュニティに位置しているのか気になり、調べてリリースパーティーの情報に到達したはいいものの、知らない情報が詰まっていて結局何がどうなっているかわからず…
文脈理解は諦めて、ひとまず聴いて楽しむことにしました。
曲紹介
時給5000兆円
表題曲です。タイトルも歌詞もパワーに満ちていて圧倒されます。が、何度も聴くうちに、狂いは社会の方にあってその歪みとか矛盾を素直に描写しているだけのような気もしてきました。私も一応若者に属す年齢ですが、「望んでもいないのに資本主義システムに閉じ込められている」「偶然に生きているだけなのに人生にメッセージ性を求められる」といったところから来るストレスにさらされている感覚があって、それを丁寧に記述した楽曲なのかな、という感想です。
FAAAAAAAASTEST
2曲目のFAAAAAAAASTEST。速いですね。
スピードコアをハーフテンポでとると無理なく日本語の歌詞が乗る、という点に感心しました。こうすれば歌詞に負けない火力を保持することができますね。すごい。
フックが使い古されたミームになっているおかげで、ふらつきながらも迷子にならずに聴き終える事ができます(町田市のあたりを車で移動中、後部座席から見るカーナビ上の都道府県名情報が次々に変わるのを思い出しました)。
ただ、天体観測のミーム化については、少し不意をつかれたような思いです。
タジハルサンバ
定番になりつつあるNo.4 / 呼び込み君のサンプリングから始まります。曲中盤ですが、呼び込み君とスカのリズムって合うんですね。こういう方向性のリミックスはイメージが湧いていたのですが…
それと、スカパートからガバキックへ戻るのがとっても自然で、パワーでゴリ押しする裏にある緻密な構成を感じました。
「頑張る」という表現の、対象を取らずとも成立する曖昧な点に普段は違和感があるのですが、こと火力がほしいときには頑張るの連打が心地いいですね。頑張っていきましょう。
新・未来世紀ギャルニアⅡ - RAVE×Funk mandelão Remix
最後はリミックス曲です。エレピとエアホーンで軽快です。(mandelãoが何を指すのか謎ですが…)"Dancing all night…"の声ネタを軸に展開していて、曲調が突然変化することもないので(そもそもこれはどういう曲調なのかと問われると言葉に詰まってしまいますが)4曲中だとかなり聴きやすいのかなと思います。
そういえば、事あるごとに紙幣の刷新がある日本円だと、「栄一」とか「ヒデオ」とか言うだけで金額と時系列を同時に提示できるんですね。便利!
おわりに
最近この結論に至ることが多いですが、攻めて行くときには足元が盤石でないといけないなと思います。とってもハジけたアルバムですが、全てのパーツがバラバラにならずつながっていて、楽しく聴くことができました。
年を重ねるうちに、こういった攻めを完全に理解できなくなるのではないかという恐怖があります。いつか来るそれに備えて今のうちに好きなだけ浴びておくのが良さそうです。