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#39 オトナの世界を垣間見せてくれた

子どもというのは「オトナの世界」を垣間見ることが大好きなんですよ。
「いつまでも幼い子どもでいてほしい」と考える親たちは意図的に幼稚なアイテムを与えたがりますが、当の子どもたちはその逆のものを欲しがるもの。
それが分かっているオトナも世の中にはいて、その一人がレジェンド作詞家の「阿久悠」でした。

阿久先生が「フィンガー5」というちびっ子アイドルにあてがったのは「恋のさや当て」「片思い」「悪女の誘惑」といったテーマの作品ばかりで、世間の思う「子どもの歌=童謡」みたいな偏見を真っ向から覆すものでした。
「バンプ」なんて踊りがこの世にあること、私はフィンガー5の曲で初めて知りました。
ダンスなんかフォークダンスしか知らなかった子どもにとって、「バンプ天国」という曲は衝撃的でした。

良い意味で「悪い」オトナ・・・それが私の阿久悠観です。
ああいう人がいなくなってしまった現在は、私には寂しくてしょうがありません。

フィンガー5


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