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生活様式から見るヘップサンダル

センタリングを上げられそうなとき、プロ選手の真似をして手を後ろに組んで守備をしてみたいむねです。けど実際にボールを挟んで敵と対峙すると、禁的を恐れて手を前にしてしまいそうです。今日もサッカーが好きです。

■ヘップサンダルってなんなん?

これだけ企画を進めておきながら、自分で「ヘップサンダルってなんなん?」という壁によくぶち当たります。

■いつ、どこで使うのか?

ご近所履きで親しまれていたヘップサンダル。これが「お年寄りが履くもの」になった理由を考えてみました。まず、以下のように置き換えてみました。

・お年寄りが履くもの
→・若者は履かない…

→・履く機会/必要がなくなったのか?
→・現代生活では不要になったのか??

1960年〜1990年代くらい(?)の人たちに必要とされていて、じわじわと履く人が減っていった。これは事実です。しかし、それにはなにか理由があるはずです。

■日本の住環境

日本の住まいから考えてみました。昔と現在の一軒家の構造は、異なります。地方の大きな日本家屋などを想像するとわかりやすいです。

まず、家の中でできることの違いです。今は料理、洗濯が当たり前のように家の中(床の上)で出来ます。が、昔は家の外でしか出来ませんでした。洗濯機の設置場所も屋根はあっても外側。そして干すことも家の外(どちらも敷地の中ではある)。そして料理。これは土間で行います。当然、今のようにフローリングの上ではないです。

そして風呂。そもそも風呂なしの家が多かった。だから近所の銭湯へいきます。また、トイレや風呂がある家であっても、水回りは居住建物の外側というところもあります。あるいは別の建物(母屋と離れの間?)にまとまっているタイプだとか。

当然ですが日本は靴を脱ぎ、家の中に土足で上がりません。つまり今、当然のようにできてしまっている家の中の動作も、昔は何度も履物を脱ぎ履きする必要があったということになります。ヘップサンダルはかかとがない履物で、つっかけて履けます。着脱がとても簡単で、そういった当時の生活様式に合っていたのかもしれません。

逆説的に捉えるならば、「外国の生活様式(家の中も靴)だと生まれなかった商品」であるとも言えます。ヘップサンダルは日本独自の文化的アイテムともとれる、可能性を秘めた商品です。

■家のまわりはどうか

家の構造上から考察した履く機会は、前途の通り。もう少し広げて、家(建物)の周りでのアクションはどうか考えました。

地方や田舎だと今でもありますが、昔の家の土地は広いです。居住用の建物と倉庫があって(母屋と離れ)、その周りを囲う弊があります。つまり敷地内に大きな空間、庭があるのです。中には蔵を構えていたり、100人乗っても大丈夫そうな(日本家屋の設計から一番親和性のない)物置があったりします。そして、そこへ行くときも何か履いて行かないといけません

また、庭があるということは当然、定期的に草むしりをしたり、植えた木の剪定をしなければなりません。そのとき、通勤用の革靴でも、都心に出る際のお洒落靴も履けない。そして長靴はタイソウです。だからみなさんヘップサンダルを履いて草むしりします。(想像できる人と、考えられない人がいると思いますが、まじです。)スニーカーは履かない。

そしてこれだけ土地が広いと、来客があった際も一旦、外に出なければなりません。その時代、リビングに正面扉の鍵の自動解除ボタンなんてありませんから、何かを履いて玄関を出て迎え入れる必要がありました。

とかく、家のまわりですら何かを履いて出ていく機会が多そうです。

■ご近所としてのヘップ

履くとわかりますが、ヘップサンダルはその履きやすさから、ご近所履きにかなり適してます。

そしてご近所とのコミュニケーションが今より昔は密接でした。よく語られることです。昔のご近所へ出かける機会を想像してみました。

・回覧板を回す
・調味料を借りに行く
・余った食材をシェアし合う
・電話を借りに行く
・町内会へ参加する
・風呂へ行く
・井戸端会議を行う
・ゴミ出しにいく

上記はあくまで想像ですが、なんだかご近所へ出かける回数が多そうです。インターネットが無かった時代のコミュニケーションは、距離に左右されるとことも大きかったのかなと想定できます。例えば、今ならYahoo!知恵袋に投げられる疑問も、昔は近所の博識ある人に聞いてたとか。コンビニですぐ買えたり、amazonで明日届くものは、ご近所の方と貸し借りしていたりだとか。

これに加えてヘップサンダルを買うおばあちゃんが口を揃えて言うセリフがあります。

「ゴミ出しにいくときちょうどいい」

これは本当によく聞きます。おばあちゃんたちの「ゴミ出しにいく専用靴」という超ニッチなニーズを満たしているわけです。履きつぶしてヘップサンダルを新調するとき、もし売り場からヘップサンダルが消えてると彼女たちは困るわけですね。だから絶対に彼女たちのニーズを絶やしたくはないですし、そんな声を拾っているのは世界でぼくくらいという自負の元、やらせてもろてマス。

■現在はどうか

話を戻します。まとめると昔はなんだか、ヘップサンダルが生活必需品だったのかな〜と考えさせられます。

それでは今の生活様式ではヘップサンダルの必要性ってなくなってしまったのでしょうか。答えはNOです。

なぜなら、現在もご近所にさっと出かける機会はゼロでは無いからです。

・玄関で人を迎える
・ゴミ出しにいく
・コンビニへ行く
・趣味で庭をいじる(ガーデニング)
・趣味で庭やガレージでDIYをする
・ペットと散歩する

ざっと上げてもこれくらいあります。

これらのアクションがあるにも関わらず、昔の人(お年寄り)は履いていて、現代人は裸足なわけがありません。何かにとって代わられているわけです。あるいは欲しい人に丁寧に伝わってないか。

「これらの行動専用の履物は、突き詰めるとヘップサンダルである」というのがぼくの見解です。そしてそれはお金持ちから一般庶民まで全員です。

日本では人口や市場が縮小して、モノが売れないことを嘆きます。けどここを見直さないことには、言い訳にしかなりません。一度、ここを見直しまーす。

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