第四話

国境近い町の名はクラコサ。半日くらいかかる様だ。腰持つかな?しかし、王都から簡単に出るとは思っても見なかった。雑貨屋になるには商会ギルドに登録しなくてはいけないらしい。隣国で登録しよう。自分の他に夫婦と見られる男女。剣を持った冒険者。多分護衛だろう。となりに壮年の男性がいたので暇だから話してみた。

「クラコサに何しに行くんですか?私は初めて行くんですが。」
「えぇ、友人に珍しい品を渡しに行くんです。胡椒なんですがね。中々手に入らなくて貴族だと簡単に手に入るんですよ。」
「ほぅ、胡椒とは珍しい。」

やっぱ、中世ヨーロッパ並みなんだなこの世界は。

「そちらは何しに?」
「この国を出る為に行くんです。」

そしたら耳元で。

「それは賢明ですな。この国はどうもきな臭くなってるもんで近々国境が封鎖すると仲間内の噂です。」

マジか!封鎖とはやばいな…。早くクラコサに着くといいんだか。

◇◇◇

クラコサに着いた。業者に聞いたら明日、朝一番に国境を越える馬車が出る。金貨5枚で3日。しかも内緒話で業者のおっさんからその3日後で国境を封鎖するらしい。つまりこの馬車を乗り遅れたら出られなくなる。今日はこの町の宿に泊まる事にした。しかしなんで国境閉鎖するんだ?酒場があるのでそこで聞いてみた。情報収集だ。

◇◇◇

酒を注文しマスターに話を聞いてみた。

「近々、戦争が起きる噂が出ています。その為兵士を集める為に冒険者を雇うんですが、争い事はごめんだという事で国から出て行ったり税収が減るのです。」

と酒場のマスターが言った。


「ですので、人口流出を止める為に3日後に閉鎖する予定です。しかし早めに閉鎖する可能性もありますね。」

なるほど、やっぱ魔王国の戦争か?周辺国は大丈夫だといいんだか…。

◇◇◇

翌日、宿から馬車場まで走って行った。間に合うか?朝一番と言ったから朝日登る前に来たんだが早めに寝て良かった。

「よう、にいちゃん!馬車は今から出るぜ。乗りな!」
「よろしくお願いします!」

間に合って良かった。これでこの国から出られる。と思ったその時。

「待ってくださーい!!乗りまーす!!」

後ろから女性の声がした。振り返ると美少女だ。しかも耳が尖ってる。エルフだ!

「良かったー間に合った〜。」
「良かったな。間に合って今から出発する所だ。」
「良かったですーお願いしまーす!」

まさかエルフと乗り合わせるとは思わなかった。しかも美少女だ。このまま止まらずフランルダ王国に向かう。腰持ってくれよ。

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