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異世界転移~雑貨倉庫のスキルで生き抜く 第一話
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俺の名は中村悠斗。28歳独身。何処にでもいる普通のサラリーマンだ。今日も電車に乗り会社に向かう所だ。しかし、その時だ。足元が突然光。周りが驚いてる。一番驚きたいのは自分だ。一体どうなるんだ俺?周りが真っ白になり目を覚ますと石だ。いや石で出来た壁。建物だ。足元を見ると何か模様が描かれている。そう思ったら。
「ついに成功したぞ!勇者様が我々に答えてくれた!」
なんだ?!いきなり、周りにはさっき乗っていた乗客がいる一緒に巻き込まれたのか?もしかして異世界転生?いや、俺は生きているから転移かこれって勇者召喚。俺は勇者になれるのか?まぁ、その手のラノベは暇な時に読んだし分かるが俺を含め5名、1人は高校生。2人目も女子高生制服は同じだからカップル?チクショー男子高校生イケメンかよ。女子高校生は可愛いし、3人目は主婦。普通の。あと胸はデカい。4人目は俺より若い男多分20歳前半だ。そして俺。この後テンプレ通りなら儀式をして勇者やら聖女やら分かるんだろう。
「突然、こんな事をして申し訳ない。貴方方達に縋る思いで呼んだ。申し遅れた。私はエネドリタ王国の大神官ファルガスと申す。我々に力を貸してほしい!」
豪華なローブを纏った男性が説明してくれた。どうやらこの国に危機を迫ってるらしい。話は簡単、魔王国が我が国を攻めてくるので救ってほしいとの事。一丁やってみますか。が俺の予想は崩れ去った。水晶で鑑定儀式をやったのだが。高校生の男は勇者で女が剣士。主婦は聖女。俺より若い男は究極魔法使い。みんなステータスがチートだ。で俺は勇者でも無ければ魔法使いでもない。無職、そう、無職だ。しかも固有スキルは「倉庫」だけ。なんだそりゃ。あーみんな下を見てるしヒソヒソと話し込んでるしどうすんのよ。倉庫ってものを保管する場所だよな?何なんだ?
「ユウト殿以外は部屋に案内する様に。すまんが、ユウト殿はそこの騎士について行って欲しい。」
「はぁ、分かりました。」
どうやら俺は追放だな。うんそうだな。無職だし外れスキルだし。俺と同じく召喚された奴らは俺の顔を見て哀れな顔してた。ムカつく。案の定、門まで閉め出された。申し訳程度に餞別として金貨30枚渡された。勝手に呼ばれて追い出された。おまけに騎士から。
「3日以内に王都から出ろ。出なければ牢屋にぶち込むからな。」
なんだよそれ。ふざけんなよ。仕方ない。チート無双とか無かったし多分元の世界には戻れそうに無いか。スキルの「倉庫」って気になるし何だろうこれ。