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革新的なアイデアで問題を解決したお寺の話
僕は神社によく足を運ぶ方だと思います。静かな境内を歩きながら、賽銭を投げ入れる瞬間って、なんだか心が洗われるような気がします。でも最近、その賽銭が神社やお寺にとって、思いがけない課題になっているということを知りました。
というのも、金融機関で硬貨を入金する際に手数料がかかるようになってしまったからです。そんな中で、ある素敵な取り組みを見つけました。思わず「これだ!」と膝を打ちたくなる、そんな発想力に感動しています。
名古屋市にある亀岳林万松寺では、数年前から、オリジナルコイン「Banshoji Coin」の自動販売機を導入しています。コインには、本尊の十一面観世音菩薩が描かれており、1枚500円。お土産としてだけでなく、賽銭や施設内通貨としても使用可。説明書は日本語、英語、中国語の3か国語で記載されているとのことです。
最初、僕もこのニュースを見た時は単なる「小銭対策」かと思いました。でも、よく考えてみると、これは実に奥深い解決策なんです。複数の課題を、まるで糸を紡ぐように丁寧に紐解いているのが分かります。
この取り組みの素晴らしさは、まず「お賽銭は神仏への祈願を小銭に託す行為である」という本質を大切に守っているところ。オンライン参拝が増えている今の時代、実際に賽銭箱に小銭を納める、という物理的な行為がある方が、より深い祈りの体験になるように感じます。
そして、キャッシュレス対応の自販機という現代的な仕組みを取り入れたことで、硬貨の処理に悩む必要もなくなりました。金融機関での両替の手間も省け、賽銭泥棒の心配もなくなったそうです。これって、本当に素晴らしい発想だと思います。
さらに、インバウンド対応として3ヵ国語での説明書を用意しているのも、とても細やかな配慮を感じます。海外からのお客様が、思い出の品としてコインを手に取る姿が目に浮かびますね。キャッシュレス決済なので、外国の方も安心して購入できます。
記事中の住職の言葉が印象的でした。「批判はあると重々覚悟のうえ、確実なものを一つ一つ起案し、実施していくということが、これからのお寺に求められていることだと私は感じています。」
この言葉には、伝統を守りながらも未来を見据える、勇気ある決断が込められています。僕たちの暮らしが大きく変化している今、このお寺のように本質を見失わず、しなやかに革新を重ねていく姿勢から、多くのことを学べそうです。
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