【70点】[アンビシャス]M-1グランプリ2021 3回戦 【漫才レビュー】

[アンビシャス]
たかしさん/森山アレキさん
「お寺で修行」

「自分を変えるためにお寺で修行をしたい」という導入から、
掃除、座禅といった修行のシーンを切り取って漫才コントを展開する。

つかみでは、所謂「べっぴんさん」のテンプレズラし。
初見のズラし方ではあったが、ボケとして弱く、ツッコミも弱かったため、インパクトは薄くなった。

「一休さんのあのシーンを知っているか？」というフリから、
窓を拭くジェスチャーを行った後、「ボキィ！」という擬音とともに肩を押さえ、「脱臼さ〜ん」とオトすボケは、実に良くない。

「ボキィ！」の時点でお笑い偏差値の高い層は「脱臼さん」を先読みするため、ストレートなボケにガッカリするし、
お笑いライト層にとっても、「一休さん」からの「脱臼さん」はボケとして弱い。
たっぷり間をとった割にハネなかったのは痛かった。

「ちょっとバファリン飲みます」というフリから、
「頭痛にバファリン♪」のリズムに合わせた「無数のひふみん」というフレーズボケも、その後の顔と動きの展開は勢いがありボケとしては成立しているが、
バファリンを飲んで幻覚が見える、という持って行き方は無理があるし、企業にも嫌われるため、ひとボケとしては視野が狭い。

「脱臼さん」にしても、「無数のひふみん」にしても、
フレーズ先行で、そこに持っていくために展開を作っている印象を受ける。

決めに行ったボケがあまりハマらなかったのが残念だった。

バファリンを飲んだ後の「うまっ」→「うまくないやろ」のような、置きに行ってない小ボケはとても面白いので、このエッセンスをもう少し広げた方がハネるのではないだろうか。

＜総評＞
ネタ構成：14/20
巧さ：14/20
インパクト：15/20
ウィット：11/20
分かりやすさ：16/20
総合得点：【70】

※カットが入った部分を見れば評価は変わった可能性があるので、参考記録として。
※サムネに使用している写真は公式HPより使用。