女子と料理力(2)〜ねすぎ…料理するんだね…(驚)!料理の力は誰のためなの?なんで誰かにジャッジされるの?
料理について色々思うようになったのは、思い出の詰まった女子寮時代と、キャンプ場で料理をみんなでするという重荷に押し潰された思い出が詰まったサークル時代(私はあまり何も手伝わなかったが…)の記憶がとても大きい。
料理が得意か否かのジャッジと、「女子力」は結びつきがとても強い、ということをその経験から初めて知ったのだった。
寮のキッチンは共同だったので、誰かが何かを作るとそれが衆人環視の目にさらされる。料理のうまさは誰にも知られるところとなるのだった。そんなに気にしてない人も多かっただろうけれど、私はその現象がとても興味深かった。
女子力的なものとは特に関係なく、料理が好き、というひともそれなりにたくさんいたのであるが、そういう人は、貪欲に食べ物が好きそうな、女将(おかみ)感があったというか、同世代とは思えない、年齢・性別を超越した感じの人たちだった(どんな人たちだよ!失礼だよ!)。
ある日、私は寮の共同のキッチンで冷やし中華を作り、ミニトマトを半分に切ってお皿のふちに並べて、小粋な冷やし中華に仕立て上げた。なかなか良い出来栄えであった。
その小粋な冷やし中華を満足げに作る様子を、偶然一緒にキッチンにいた先輩からこう言われた。
「ねすぎ…料理とか…するんだ…」
彼女の目つき、表情には、何か見てはいけないものを見たような、何やらとても違和感を覚えているような、恐怖とまではいかないけれど、困惑の色が滲み出ていた。
ええ!?
あの!ま、マルちゃんの…、即席冷やし中華ですけど…!
麺をゆでて、ざるで水を切って、かつ付属のタレを皿に開けただけで…確かに半分に切ったミニトマトを、小粋に並べたけど…。
私が料理をすることがそんなに意外と思われるのか!
料理って…お腹がすいて、自分でただ、食べたいからするんじゃないのか…!?
当時はそんなことは言えなかったが、そんなに人のイメージ(主に女らしさ)と料理の力が結びついているのか、というのは、なんだかとても、とても衝撃的であった。