僕とランディーズの思い出
お笑いを初めて観た記憶を呼び覚ますと、5歳くらいの自分の記憶が1番古いのでは無いかと思う。
現在アラサーといっても差し支えない年齢の自分は、小さい頃観ていたテレビ番組といえば「お母さんと一緒」と「アンパンマン」と「爆笑オンエアバトル」だった。
両親ともお笑いが大好きで、特に母親は生粋のお笑いフリークだったように思う。「とにかくお笑いを見ろ」とテレビの前に座らされ、自分も何かに取り憑かれたように爆笑オンエアバトルを見続けていた。
しかしまだ幼い自分には、漫才や完成されたコントを理解するのは難しく、もっぱらパペットマペットやテツandトモのような分かりやすいネタを好んで見ていた。
小学校に上がる頃には漫才やコントの概念も分かってきて、次第にお気に入りの芸人も幅広く増えていっていた。わざわざ気に入ったオンエアバトルの映像をVHSに落とし、遊びに行った友人の家で流して「は?」と言う顔をされたのは今でも覚えている。
ある日我が家に大ニュースが飛び込んできた。なんと、地元にあの大人気漫才師、ランディーズが間寛平、FUJIWARAと共に来るというのだ!!!
皆さんは覚えているだろうか。2000年代初頭頃、「WEST SIDE」というイケメン若手芸人で組まれていた関西お笑いアイドルユニットを。メンバーはロザン、キングコング、ランディーズという当時ときめく人気若手芸人で、彼らが歌って踊ってCDを出しちゃったりしていた。そんな中の一組ランディーズが地元に来る!!これは瀬戸内海の小島に住む我々お笑い大好き家族には大ニュースだった。
ただ、幼かった自分はそんな「WEST SIDE」というユニットには思い入れはなく、どちらかというと「あの爆笑オンエアバトルのランディーズが来る!!?」という思いが強かった。
舞台上で火を飲み込む突拍子もない芸をするあのランディーズが!
我が家でプチブームになっている「たかしさん、お勉強進んでる?」「進んでるわよ〜」「どっちもおかんやないか!!」のフレーズを生み出しし者、ランディーズが!!!
その日はライブだったり漫才をしに来ると言うわけではなく、間寛平さんのマラソンイベントで寄ると言うだけではあったが、有名人に会える!というミーハー根性丸出しで、我々家族はすぐに現地に向かった。
現場に着くとまばらではあるが人だかりができており、その真ん中にはあのテレビで何度も見たランディーズが立っている!絶賛人見知り発動期の幼い自分は彼らを遠くから見ていたのだが、超コミュ強の母親がそんな自分を引っ張り、
「ファンなんです、握手して下さい」
と中川さんに声をかけた。
辺鄙な田舎に遠くから来て疲れていたと思うが、彼は嫌な顔ひとつせず笑顔で握手してくれただけでなく、自分を抱っこして写真を撮ってくれた。小学校低学年で乳歯だった前歯が2本欠けた自分のハニカミとその横に並ぶ中川さんの笑顔のツーショットは、今でも実家で大切に保管されている。
数年前にランディーズは解散してしまったが、この当時の出来事は今でも大事な記憶として自分の中に残っている。
不確かな記憶ではあるが、初めての生で見る芸人さんが、彼らだったと思う。きっとあの時のあの体験が今の自分のお笑いライブ浸りに繋がっていると言っても過言ではない。
自分のお笑いフリーク道の始まりはランディーズの抱っこだったのだ。
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