ボン・ジョビと円熟
YouTubeにボン・ジョビのこんなおすすめが表示されたところから、「円熟ってなんだろう?」ってことを考えることになりました。
このおじさんが歌ってるのはボン・ジョビの「livin' on a prayer」で、サビの盛り上がるところを本人じゃなくて聴衆が歌うライブバージョンと思います。すごい熱唱してるのにそこだけ歌わないのが面白いのだろうと思いますが、この曲は、高校のとき1年だけやってたバンドでやった最初の曲なので、思い入れがあり、そこからいろんなlivin' on a prayerを探してみました。
そうすると、歌い方の変化をまとめた動画が出てきました。
初期の1980年代の頃の「おれの歌を聞け!」的な高音のシャウトをこれ見よがしに聞かせるスタイルから、徐々に「みんな一緒に歌おう!」的にサビをほとんど聴衆に歌わせるスタイルに変わっていきます。加齢とともに高音が出にくくなっているとかももしかしたら理由かもしれません。
living' on a prayerのメロディ自体も確か90年代に出たアコースティックバージョンから抑え気味?に変わってた記憶で、当時はそれが物足りなく感じましたが、今聞くと、耳に心地よい音と感じます。
本人がどう意図しているかわかりませんが、ぼくには一人で、自分の腕を見せつけるように歌っていた時代から(ぼくの思い込み)、周りを巻き込んでみんなでlivin' on a prayerという曲を作っているように感じられて、円熟味を感じます。
円熟って何か?という点でいうと、「関る/関われる範囲が増えること」というのが一つの要素な気がします。ボン・ジョビはもともとやってた方法でしたが、近年の方がお客さんが関われる範囲がかなり増えた印象です。
技能五輪選手の場合、優秀な選手ほど、自分だけで努力していなくて、後輩や指導者、その上司をはじめ、色々な人と関わりを持って訓練します。また、作業においても、機器や道具、素材だけじゃなくて、その場所や、環境や他の選手の力まで上手く利用します。
円熟した指導者も、他の職種とか部署とか上司とか色々な人の「関わり」が多い印象です。もちろん、ボン・ジョビがサビの一部しかみんなと歌わないように、なんでもかんでも関わらせるわけじゃないでしょうが。
円熟と一言でいってもそのあり方は様々でしょうが、こんな見方もできるのかなぁと思いました。