テンバガーは狙って買えない理由とは?20年の投資経験からわかった現実
10倍株、テンバガーを狙って買うことは本当に可能なのか?20年以上の投資経験と実例から、その夢の裏にある現実について解説する。
テンバガーとは何か?夢の10倍株の魅力
テンバガーとは、株価が10倍以上になる株のことを指す。多くの投資家にとって、この「10倍株」は夢のような存在だ。少ない投資額で大きなリターンを得られる可能性があるからこそ、多くの人がテンバガー株を探し求めるのだ。しかし、テンバガーを狙って買えるかどうかは別問題である。現実的には、テンバガーを探し当てることは容易ではないし、むしろ運に近いものであると感じている。
20年以上の投資経験とエヌビディアの実例
私は20年以上にわたって投資を続けてきた。エヌビディアにも投資しており、あと半年ぐらいでトリプルバガー(3倍株)になるほどのリターンを得ている。しかし、この結果は、投資歴が長いからとか、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持っているから成し得たものではない。あくまで、少しの「読み」と「運」が重なったにすぎないのである。
投資の「読み」とは何か?計算されたものではない
投資の「読み」とは、未来を完全に予測するものではない。私がエヌビディアを買ったときも、綿密なリサーチや計算を重ねて判断したわけではなかった。ただ、なんとなく「こうなるだろう」と未来を想像しただけで、エヌビディアがこれから伸びていく可能性を感じたのだ。それが的中しただけで、偶然の産物としか言いようがない。
誰もが狙うテンバガーとプロの存在
テンバガーを狙うのは個人投資家だけではない。プロの投資家や機関投資家もまた、成長株を狙って日々情報を収集し、分析を行っている。そのため、世の中に出回る有望株の多くは、すでにプロの手によって目をつけられており、その時点で割高な価格がつけられていることが多いのだ。一般の片手間で投資をしているサラリーマンが、プロが見つけられないような10倍株を探し出せる可能性は極めて低い。
テンバガーは夢だが、現実的ではない
テンバガーは確かに夢がある。私も投資家として、その夢に魅了されることはある。しかし、それが狙って得られるものでないことを、私は長い投資経験から痛感している。市場には、投資家に夢を見させる要素がたくさんあるが、その夢を追いすぎて、現実を見失ってしまうことのほうがリスクだと感じる。テンバガーにこだわるよりも、堅実な投資戦略を心がけることが、結果的に資産を増やすための近道になるだろう。