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金持ちはますます金持ちに、貧乏人は抜け出せない時代へ

純金融資産保有額のデータを見ると、アッパーマス層が減り、準富裕層が増えている。一方で、マス層はアッパーマス層へ上がることが難しくなっている。これは何を意味するのか。投資資金の有無が、格差拡大のカギを握っているのだ。


純金融資産保有額の階層別データが示す現実

金融資産の分布を見ていくと、資産の多い層がより富裕になり、資産の少ない層は停滞していることが明らかになる。特に「アッパーマス層(500万~3000万円の純金融資産保有層)」の数が減っている点は注目すべきだ。この層は、準富裕層(3000万~1億円)へ移行した可能性があるが、それと同時に、マス層(500万円未満)がアッパーマス層へ移行することが困難になっているとも読み取れる。

なぜアッパーマス層が減ったのか?

アッパーマス層が減った理由は、大きく2つ考えられる。

すでに投資をしていた人々が、資産の増加によって準富裕層に移行した
マス層がアッパーマス層に上がるための資金を用意できず、停滞している

この傾向が2年間という短期間で顕著に現れたのは、やはり投資の影響が大きい。株式市場の好調が続いたことで、アッパーマス層の資産は増加し、より上の層に移行した。しかし、マス層にいる人々は投資資金を確保できず、アッパーマス層へ移行できないまま取り残されている。

金持ちはますます金持ちになり、貧乏人は取り残される

「金持ちはより金持ちに、貧乏人は抜け出せない」。これは単なる比喩ではなく、データが示す現実だ。投資には元手となる資金が必要であり、その資金を用意できるかどうかが、将来の経済的成功を決める。

アッパーマス層の人々は、ある程度の資金を投資に回していたため、放置していても資産が増えている。一方で、マス層の人々は投資に回す余裕がなく、アッパーマス層へのステップアップが極めて困難になっている。この現象こそが、格差拡大の根本的な原因である。

投資の鍵は「いくら用意できるか」

投資の結果は、どの銘柄を選ぶかではなく、「いくら投資に回せるか」に依存する。例えば、年間3%のリターンを得られると仮定すると、100万円を投資しても3万円しか増えない。しかし、1億円を投資すれば300万円のリターンが得られる。この差が、資産形成のスピードの違いを生み出し、さらに格差を広げていく。

元手を用意できる人は、リスクを抑えながらも資産を増やすことができるが、元手のない人は投資機会を持てず、資産形成のスタート地点にすら立てない。結局のところ、「投資できるかどうか」ではなく、「投資に回せる資金があるかどうか」が、経済的な成功を左右するのだ。

マス層がアッパーマス層へ上がることが難しくなった理由

アッパーマス層への移行が困難になった要因として、以下の点が挙げられる。

可処分所得の減少
物価高や社会保険料の負担増により、貯蓄に回せる余裕が減っている。

給与の伸び悩み
給与の上昇が物価の上昇に追いつかず、投資資金を確保しにくい。

投資教育の不足
金融リテラシーが低いままでは、投資を始めるきっかけが掴めない。

このように、マス層がアッパーマス層に上がるためのハードルは、以前よりも高くなっている。

まとめ:金持ちへの道が閉ざされる社会

現在の社会では、アッパーマス層は投資によって自動的に準富裕層へと移行している。一方で、マス層の人々は、投資に必要な資金を確保できず、格差が広がるばかりだ。これは、資産運用のスタートラインに立てるかどうかが、将来の経済的成功を決定する時代になったことを意味する。

今後、マス層の人々がどのように資産を築くかが大きな課題となる。投資の重要性が高まる中で、適切な知識を持ち、少額からでも投資を始めることが、経済的な未来を変える鍵となるだろう。

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