新NISAのつみたて投資枠、その存在意義とは? 成長投資枠との使い分けを考える
新NISA制度が始まり、多くの投資家がつみたて投資枠と成長投資枠のどちらを活用すべきか悩んでいる。この記事では、つみたて投資枠の意義と成長投資枠との違いについて詳しく説明し、どちらを選ぶべきかを考えていく。
新NISAのつみたて投資枠の特徴
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二つの枠がある。つみたて投資枠は、その名の通り長期的な積み立て投資を促進するために設けられている枠で、比較的リスクの低い投資信託を対象にしている。新NISAにおけるつみたて投資枠の利用は、総買付額の22%にとどまっているというデータがある。
これは多くの投資家が、つみたて投資よりも成長性のある銘柄を求めている証拠とも言えるだろう。実際、つみたて投資枠で投資できる銘柄は、成長投資枠でも購入可能だが、逆に成長投資枠でのみ投資できる銘柄は限られている。これが成長投資枠の人気の一因であると考えられる。
成長投資枠の優位性とその背景
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間360万円の投資が可能だ。しかし、実際にこの360万円の枠を全て埋めることができる人は限られている。現実的には多くの投資家が、より利益を追求しやすい成長投資枠を優先して活用しているようだ。
新NISAの最大投資額は1,800万円だが、成長投資枠の上限は1,200万円となっている。1,200万円という金額も、多くの人にとっては大きなハードルだろう。成長投資枠を埋めることさえ難しい投資家が多い中、つみたて投資枠の600万円まで到達する人はさらに少ないと予想される。
つみたて投資枠の利用は本当に少ないのか?
つみたて投資枠の利用が少ない理由の一つは、投資家が短期的な利益を重視する傾向にあるためだ。長期的な成長を目指すつみたて投資は、即効性のある利益を得にくいと感じる人が多い。成長投資枠では、個別株やETFなど、短期的な値動きで利益を上げやすい商品が対象となっており、これが人気の理由となっている。
しかし、つみたて投資枠は安定的な資産形成に向いている枠でもある。市場の波を受け流しながら、少額をコツコツ積み上げていく手法は、長期的にはリスクを抑えた投資を実現することができる。時間を味方にした資産運用が可能であり、リスクを取りたくない投資家にとっては有力な選択肢だ。
私自身の投資戦略
私の場合、毎月10万円をつみたて投資枠で積み立てている。さらに、成長投資枠にも毎月30万円程度を投入している。成長投資枠ではリスクを取ってリターンを狙いつつ、つみたて投資枠では安全を確保するという戦略を取っている。両者をバランス良く使い分けることで、短期的な利益と長期的な安定を両立させようとしているのだ。
まとめ:つみたて投資枠の存在意義とは?
つみたて投資枠は、その利用割合こそ少ないが、リスクを低く抑えた長期的な資産形成に向いている枠だ。一方で、成長投資枠は短期的なリターンを狙う人々に支持されている。両者のバランスを見極め、自己の投資戦略に適した枠を有効に活用することが、新NISAを最大限に活かす鍵となるだろう。