逃げのFIREは地獄の入口? 目指すべき本当のFIRE
若者がFIREを目指す理由は単純だ。だが「逃げのFIRE」では、成功は難しい。真のFIREの条件とは何かを考える。
若者がFIREを目指す理由とは?
FIRE(経済的自立と早期退職)は、若者にとって非常に魅力的な目標だ。働かずに自由な生活を送るというイメージは、多くの人を惹きつける。しかし、その理由を掘り下げると、「働きたくない」「サラリーマン生活が嫌だ」という消極的な理由が多い。もちろん、若いうちに自由な時間を確保したいという願望も理解できる。だが、これが「逃げ」の発想に基づいている場合、そのFIREは継続可能なのだろうか?
新NISAとFIRE:現実の壁
最近では、新NISAを活用してFIREを目指すという話も聞く。しかし、これにはいくつかの現実的な問題がある。
まず、新NISAで得られるリターンは、インデックス投資が中心だ。オルカンやS&P500のようなインデックス投資は安定的に増える一方、大幅に資産を増やすには時間がかかる。FIREを達成するためには、何十年もかけて積み立てを行う必要があり、短期間で目指すのは難しい。また、暴落リスクもつきもので、これを完全に避けるには億単位の現金を用意しなければならない。若い世代にとってこの額を準備するのは非現実的だ。
FIRE達成後の不安定さ
FIREを達成しても、暴落や経済的な不確実性に耐えられる資産がなければ、その生活は長続きしない。特に、資産運用が生活費を上回るリターンを生むことが前提である場合、市場の変動は避けられないリスクだ。インデックス投資でFIREを目指す人たちは、このリスクを過小評価していることが多い。また、単純に「働かない」生活では、心の充実感を得ることも難しいだろう。人は何かしらの目的や社会との関わりが必要だからだ。
FIREを目指すなら安定収入を確保せよ
私の考えでは、FIREを実現するためには、少額でもいいので安定した収入が必要だ。ネットビジネスで収益を上げられれば理想的だが、これを継続的に成功させるのは容易ではない。多くの人にとって現実的な選択肢は、アルバイトやパートタイムの仕事だ。これならリスクを分散しながら収入を確保できる。また、こうした活動は、社会とのつながりを保つことにも役立つ。FIRE後に何をするかを明確にし、それを収益化するスキルを磨くことが重要だ。
「逃げのFIRE」ではなく「攻めのFIRE」を
FIREを目指すのであれば、「働きたくないから」といった消極的な理由ではなく、「自分がやりたいことを追求するため」という積極的な理由を持つべきだ。例えば、自分のスキルを活かしてネットビジネスを展開したり、趣味を副業にしたりといった形で、生活の充実と収入の確保を両立することが理想だ。FIREはゴールではなく、新しいスタート地点である。これを理解しない限り、真の意味でのFIREの成功は難しいだろう。
あと数年でFIREできる私の考え
私は自分の資産状況を考えれば、やろうと思えば数年以内にFIREを実現できる見込みだ。しかし、それでも完全に働かない選択をするつもりはない。理由は単純で、働かない生活が精神的に充実するとは思えないからだ。少額の安定収入を得る手段を確保しながら、自由な時間を活かしてやりたいことを追求する。これこそが、私が考える「攻めのFIRE」であり、真の成功の形だ。
結論
「逃げのFIRE」は必ず失敗する。若い世代がFIREを目指すのは理解できるが、現実的な計画とリスクへの対処が欠けていては成功は難しい。少額でも安定収入を確保し、「逃げ」ではなく「攻め」の姿勢でFIREに取り組むことが重要だ。FIREを目指すのであれば、自由を求めると同時に、自分の価値を社会に提供する方法を模索すべきだろう。