若者を待ち受ける“働き続ける老後”の現実
年金の減少、物価上昇、投資の二極化。若い世代を待ち受けるのは、老後も働き続けなければならない現実だ。
若い世代の年金が減少する現実
若い世代の年金が減るという事実は、すでに避けられない未来だ。年金制度は、少子高齢化による現役世代の減少で支えが薄れつつある。さらに、物価上昇による年金の実質的な価値低下が追い打ちをかける。こうした状況は、若い世代が直面する将来の課題の一端に過ぎない。
新NISAの普及状況と課題
政府は新NISAを導入し、投資を通じた老後資金の確保を支援している。しかし、2024年の新NISA元年においても、口座数の伸びは予想よりも低調だ。市場が右肩上がりという好条件にもかかわらず、投資への取り組みには二極化がみられる。月10万円以上の積立をする人もいれば、口座開設後に何も投資をしていない人もいる。この現状を踏まえると、新NISAの普及率が今後大きく改善する可能性は低い。
投資環境の未来:減少する市場流入資金
新NISAの口座数は増加しても、その利用率や市場に流入する資金は次第に減少すると予測される。理由の一つは、資金力のある高齢者が亡くなることで投資の活力が失われることだ。若い世代には高齢者ほどの資金力がないため、投資市場の活発さは次第に失われるだろう。このような状況下では、年金だけに頼れない若者の老後の課題がますます顕在化する。
老後も働き続ける選択肢
年金の減少と投資の不安定さを受け、若者の老後は「働き続ける」という現実が避けられない。最初に影響を受けるのは就職氷河期世代だ。彼らの中には、資産形成が遅れた結果、年金だけでは生活できない人が増えている。これが、次世代以降の若者にも同じような影響を及ぼす可能性が高い。
働き続ける社会の未来像
若い世代が年金で生活できなくなる割合は、時代とともに増えていくだろう。その結果、老後も働く人が増加する社会が形成される。仕事が生きがいとして機能すれば良いが、多くの人にとっては老後の負担増を意味する。資産がない状態での老後を避けるためには、現役時代の早い段階での計画的な資産形成が必要だ。
若者が今取るべき行動
こうした未来を考えると、若者が今行動するべきことは明確だ。まずは資産形成を始めること。たとえ少額でも新NISAを活用し、投資への取り組みを始めることが重要だ。また、年金以外の収入源を確保するため、副業やスキルアップを通じたキャリア形成も欠かせない。自分の未来を他人任せにせず、主体的に動くことが求められている。
若い世代の未来は厳しいが、無策でいることが最も危険だ。働き続ける老後を避けるためにも、今できることを始めておくべきだろう。