DIE WITH ZEROを実践する方法〜貯金ゼロで人生を楽しむための未来予測〜
先日、新宿の紀伊國屋書店を訪れた際、『DIE WITH ZERO』が平積みされているのを目にした。この本は、筆者ビル・パーキンスが提唱する「人生で稼いだお金を使い切って死ぬ」という大胆なライフスタイルを語っている。彼が今年4月に来日していたことを知らず、驚かされたが、この本が教える「死ぬまでにすべて使い切る」というアイデアに非常に共感している。今回は、そのDIE WITH ZEROを実践するための方法と、予測に基づいた消費プランについて考えていきたい。
DIE WITH ZEROとは何か
『DIE WITH ZERO』は、貯金を残すことなく、自分の生涯を楽しみ尽くすという考え方を提唱している。老後に備えて貯金を残しておくという常識を覆し、むしろそのお金を現役のうちに使い切り、死ぬときにはゼロになるよう計画的に消費しようというものだ。筆者ビル・パーキンスは「お金は思い出を買うために使うべきだ」とし、人生の各段階で自分に最も価値ある体験に投資することを勧めている。
予測が必要不可欠
DIE WITH ZEROを実践するには、未来の生活や寿命、必要な資金をある程度予測する必要がある。何があるかわからないと言ってしまえば、このライフスタイルは成立しない。だからこそ、自分の寿命、年金の受給額、資産運用の利回り、そして人生での大きなイベント(例えば旅行や結婚、子供の教育費など)を予測し、それに基づいて計画を立てなければならない。
もちろん、未来のことは誰にも完全にはわからない。それでも、ある程度の条件を設定してシミュレーションすることが可能だ。たとえば、80歳まで生きると仮定して、その間にどれだけの資金が必要か、どう取り崩していくかを考えることができる。年金の支給額や投資の利回りを計算に入れ、人生のイベントにかかる費用を見積もれば、DIE WITH ZEROを達成するためのプランが具体化する。
AIが最適な答えを導き出す時代
昔はこうした予測やシミュレーションをするために高度な金融リテラシーが必要だった。しかし、今ではAIが発達しており、複雑な予測も簡単に行えるようになっている。AIに寿命や年金額、資産運用利回りなどのデータを入力すれば、最適な取り崩しプランを提案してくれる。
例えば、「私は80歳まで生きる予定で、年金が月に〇〇万円、資産運用の利回りは△%だ」とAIに入力すると、それに基づいて毎年どの程度のお金を使えばよいか、どのタイミングで取り崩しを加速すべきかを提案してくれる。AIとのやりとりを何度か繰り返すことで、自分に合ったプランを見つけ出すことができる。
コーストFIREとDIE WITH ZEROの共通点
私はすでにコーストFIREを達成しており、現在は貯金を増やすことよりも、毎月ゼロに近づけて消費することを目標にしている。つまり、必要な収入はすでに確保されており、それをどう有効に使い切るかに焦点を当てている。コーストFIREも、DIE WITH ZEROも、経済的自由を手に入れた後に「どう生きるか」を問う点で共通している。
重要なのは、自分のライフステージや優先事項に合わせて、どれだけのお金をどの時期に使うかを計画的に考えることだ。そのためには、人生の各段階で必要な資金を計算し、それに合わせてお金を使い切るためのスケジュールを立てることが不可欠である。
最後に
DIE WITH ZEROは単に「貯金をしないで使い切る」という話ではない。それは、自分の人生を豊かにし、思い出に満ちた日々を送るためにお金をどう使うかを問うライフスタイルである。未来を予測し、計画的に資産を取り崩すことができれば、死ぬときに後悔せず、充実した人生を送ることができる。