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【2024年6月最新】インドネシアに進出する日系企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)

Indonesia Biz Hubの横田です。
今回は、インドネシアで加速している「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について「インドネシアでDXする理由・背景を事例」を交えてお伝えいたします。

多くの日本企業及びインドネシアに進出する日系企業でもデジタルトランスフォーメーション(DX)への注目が集まってきています。一方で日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)をインドネシアにそのまま活用しようとすると法律・商慣習が異なり、うまくいかないことも多いのではないでしょうか。
今回は「インドネシアに進出する日系企業」がDXをするメリットや逆にDXしないことのデメリット、実例をご紹介いたします。


デジタルトランスフォメーション(DX)とは

経済産業省ではDXの意味を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。

DXを実現するためには以下のステップを辿っていきます。

  1. デジタイゼーション

    • アナログ・物理データのデジタルデータ化特定の組織や個人の範囲内のアナログ的な作業の効率化

  2. デジタライゼーション

    • 個別の業務・製造プロセスのデジタル化、一連の業務フローや業務プロセスの生産性を向上

  3. DX(デジタルトランスフォーメーション)

    • 個別の業務・製造プロセスのデジタル化、自社の企業風土やビジネスモデルに変革を促すこと

デジタルトランスフォーメーションまでのSTEP

DXしないことのデメリット

  • マネジメントコスト高の可能性

  人件費が安いからということでメンバークラスを増やすと1マネージャーあたりのマネジメント対象人数が増え、管理が難しくなります。インドネシでは、他のASEAN国と比較した時にマネージャーが不足傾向にあります。またタスク(業務内容)別採用が多くマネジメント自体も難しいです。

  • 人件費高騰、原価高騰により利益率低下

人件費が毎年上昇していることや原価高騰の影響によって利益が圧迫する可能性があります。人海術及び一人当たりの生産性向上の取り組みをしないことで、黒字→赤字になる可能性があります。

  • 業務の可視化が難しく、「業務の属人化」

インドネシアでは日本と比較した時に転職する方が多いため、業務が属人化している場合、その方が離職した際の影響の範囲が大きいことやそもそもどの業務にどれくらいの時間をかけているかがわからず、改善・引き続きできない可能性があります。

DXのメリット

逆にDXのメリットは以下の例が挙げられます。

  • 一人当たりの生産性向上により利益率の改善が可能に

    •    一人あたりの生産性が向上することで限られた人数で売上をあげることでバックオフィスを限られた人数で運用することができ、利益率を改善することができます。

  • 業務の平準化による採用要件を広げることが可能に

    •   DXにより業務を簡略化することで、脱属人化を実現でき、採用範囲を広げることができます。

  • 日本本社への報告業務の簡略化

    •   3ヶ月及び半年に一回の日本本社へのレポーティング業務を簡略化することができます。売上、会計、給与、組織図など、レポーティングのための作業を簡略化することができます。

インドネシアでのDXの進め方

インドネシア特有のDXを進める上でのポイントは大きく3つです。

  • 業務全領域のDXに取り掛からない

全業務のDXを進めようとすると、要件定義に6ヶ月から1年を要することがあるため、「業務頻度の多いもの」や「インパクトが大きい業務」から取り掛かるのがオススメですまた、日本人の方は駐在の方も多いと思いますので、限られた時間で進めていく必要がございます

  • 既製品の業務効率化サービスを検討してみる

業務効率化サービスのカスタム開発は全てのニーズに対応できますが、開発時間や費用が非常に高くなる傾向があるため、パッケージ製品の検討もオススメです。

  • 難しく考えすぎない

いきなりDXを目指すのではなく、まずデジタイゼーションを行い、その後デジタライゼーションに進むことが重要です。例えば、一部の業務をペーパーレス化してデジタライゼーションを試みるとスムーズです。

インドネシアでの日系企業のDX導入事例

実際にインドネシアでもDX化を進めている日系企業がたくさんあります。その中でも一番多く使われているのが勤怠・給与計算のソフトウェア、そして電子契約ができるソフトウェアです。これらのソフトウェアを使うことで、インドネシアに進出している日系企業は勤怠管理や給与計算や契約時の署名の時間短縮を実現しました。

  • Mekari Talenta(勤怠・給与計算)

導入前は、勤怠打刻や管理をExcelで行っていたため、データの正確性に欠け、計算やモニタリングがHRマネージャーに属人化していました。また、インドネシア特有のTHRや社会保険等の集計に時間がかかっていました。導入後は、スマホや指紋認証による勤怠打刻により、勤怠の正確性がリアルタイムで実現され、個人の事情に合わせた給与からの天引きや支払いデータの一覧化も可能になり、時間短縮を実現しました。Talentaを使ったことで、勤怠打刻の正確性を実現し、インドネシア特有の事情の給与計算と支払いが可能になりました。


Mekari Talentaの活用事例

Mekari e-sign(電子サイン)

導入前は、Invoiceの社内サインや印紙(materai)をPDF化して印刷し、サインを行っていましたが、日本人役員やマネージャーの出張が多いため、サインや確認が遅れることがありました。導入後は、オンライン上で社内サインが可能となり、日本人やローカル社員がリアルタイムでサインやe-materaiの購入および貼り付けができるようになり、保守時の受領確認もリアルタイムで行えるようになりました。

Mekari e-sign(電子サイン)の活用事例

まとめ

インドネシアに進出する日系企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、「一人当たりの生産性向上により利益率の改善が可能」、「業務の平準化による採用要件を広げることが可能」、「日本本社への報告業務の簡略化」と多くのメリットがございます。またDXを進めないことのデメリットとして、インドネシア特有の問題も抱えているため、早めに取り組む必要性がございます。
また、インドネシアにいらっしゃる日本人は駐在の方も多く限られた時間でDXを進めていく必要がございますので、全ての業務の要件定義をするのではなく、「業務頻度が高い」「業務へのインパクトが大きい」分野から着手し、パッケージ製品の活用も検討することが効果的です。「勤怠・給与計算システム」や「電子サインシステムの導入」によって、業務の正確性や効率が劇的に向上している日系企業の事例がございますので、もう少しDXの事例やDX活用について知りたい方はお気軽にご連絡ください。

問い合わせ先
shohei.arai@cquick.info
(荒井)
https://twitter.com/cquick_arai

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