no.2 やっぱり帰り道
またか、なんて
思わないでくださいね。
今日も帰り道のお話です。
私にとって、帰り道は一番
一日を振り返るのに大事な時間なんです。
そんな今日も、
何気なく周りに目を向けてみる。
澄んだ空を区切るように引かれた電線。
少し寂れた看板の曲がり角にあるお店。
私の足音にふらっと飛んで避ける雀。
今度は視覚以外に、意識を移してみる。
友達と楽しそうに走り回る小学生の声。
風を切って軽快に走っていく車の音。
どこからかふわっと香る揚げ物の匂い。
こんなにも、街中は
誰かの毎日のかけらで溢れている。
今日もみんなそれぞれの生活を送っている。
幸せに過ごしている人もいれば、
辛い日々を惰性で過ごす人もきっといる。
どんな想いを抱えて生活しているのか
他人の私に正解はわからないけれど、
みんな、今を生きている事実だけは
確かに存在している。
私も、今日のこの街の風景の一員で
たしかにここに生きている。
明日も明後日も、この街の風景の中で
頑張って生きていこう。
そんなことを考えながら
今日も一日が終わっていく。