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スター・ウォーズとポリコレの未来

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スター・ウォーズ/原作者の反論

先日、スター・ウォーズの生みの親であるジョージ・ルーカス氏が、カンヌ国際映画祭で語った意見が話題になっていた

それは、「スター・ウォーズの登場人物は白人男性ばかりで、女性や黒人の描写が欠如している」という批判に対するものである。

ルーカス氏の"反論"を掻い摘んで説明するとこうだ。

批評家は「スター・ウォーズの登場人物は白人男性ばかりだ」という。だが、スター・ウォーズの登場人物はほとんどが宇宙人エイリアンだ。

大きくて毛皮でおおわれていようが、肌が緑色であろうが、ありのままの相手を受け入れよう。これは、人は誰もが平等であるというアイデアだ。

最初の作品には肌の色が濃いチュニジア人が何人かいたし、2作目にはビリー・ウィリアムズ(ランド・カルリジアン役)が登場している。そしてプリクエル(新三部作)には、サミュエル・L・ジャクソン(メイス・ウィンドゥ役)がいる。

女性にズボンを履かせるだけでヒーローになると思ったら大間違い。彼女たちはドレスを着ることもあるだろうし、着たいものを着る。
大事なのは、その頭脳や、思考能力、計画性、理論性だ。それがヒーローの素質なのだ。

ルーカス氏の一連の意見は、米メディアのVarietyに載っているので、正確な文章を知りたい方はこちらからオリジナルの文章を確認していただきたい。

一部だが、日本のメディアでも取り上げられている。

スター・ウォーズ/ディズニーの過ち

ジョージ・ルーカス氏が作ったスター・ウォーズ(エピソード1~6)とは対称的に、女性や黒人、マイノリティがまるで活躍しない上にストーリーが破綻しているスター・ウォーズを作ってしまったのがディズニーである。

ディズニー版のスター・ウォーズ(エピソード7~9)は、ポリコレに配慮して女性や有色人種を起用したものの、肝心のストーリーについて真面目に考えていなかったため、酷い出来であった。

多種多様なキャラクターを登場させたにも関わらず、活かすことが一切できず、最終的に特権を自覚できない白人女性白人男性の物語になってしまったのだ。

これに関しては、フィン(黒人のキャラクター)の俳優であるジョン・ボイエガ氏もこう述べている。

ディズニーに言いたいのは、黒人のキャラクターを登場させて実際の役割よりも重要そうに宣伝してから、最終的には脇に押しやるような真似はしないでほしいってことだ。そんなのおかしい。はっきり言わせてもらうけど……。

『スター・ウォーズ』の世界にも人種差別が存在する:ジョン・ボイエガによる衝撃発言の真意 | WIRED.jp

ボイエガ氏の発言はもっともだ。

ディズニー版スター・ウォーズは、当初(役者の人種で言うと)「白人女性 & 黒人男性(ボイエガ氏) vs 白人男性」という構図だった。

しかし、ディズニーの経営者や監督が何も考えていなかった為、いつの間にか「白人女性 vs 白人男性」というストーリーになってしまったのだ。

脇に追いやられたのは彼だけではない。めちゃくちゃ活躍しそうな女性ヴィランも、主人公チームの良い助っ人になりそうだったアジア系女性も、全く活躍せず脇に追いやられた(むしろ酷い扱いだった)。

ディズニーはポリコレを遵守し、女性や有色人種を登場させたにも関わらず、彼らが演じるキャラクターを全く活かせなかった為、むしろ女性や有色人種が"作品を悪くしている邪魔なキャラクター"になってしまったのだ。

その高い倫理観と圧倒的な想像力(創造力)によって、女性や有色人種も活躍する素晴らしい作品を作り上げたジョージ・ルーカス氏と、浅い上っ面のポリコレと無計画な制作でゴミを3つも作り上げたディズニー...

とても皮肉な話である。

スター・ウォーズ/ポリコレの未来

今後のスター・ウォーズ、ひいてはディズニーの作品はどうなるのだろうか?

人権意識も創造力も優れた人間が、素晴らしい作品を生み出してくれるのか?
それとも、上っ面の浅い人権意識ポリコレとブランドにおんぶにだっこの無能が、駄作をまた作るのか?

これについて、期待できる話としては、ディズニーのCEOが昨年後半(2023年11月29日)に「(ポリコレではなく)人びとを楽しませることを最優先にする」と述べている事だ。

社会問題に対する企業としての姿勢を問われたアイガーCEOは、ディズニー作品でもスポーツでもマーベルでも、全てのプラットフォームで配信するいかなるものであれ「最優先されるのは人々を楽しませることだ」ときっぱり。「エンターテインメントを求めるマーケットプレースは常にあり、だからこの仕事はすばらしいものなんだ」と説明しました。

そしてこのディズニーの“ポリコレ”への傾倒は、チェイペック前CEO時代の2022年にひとつのピークを迎えたとのこと。この間「クリエイターは自分たちの目的を見失っていた」と振り返り、エンターテインメントを提供する企業としての優先順位を再確認したとしています。

ディズニーCEO、近年の作品が“偏り過ぎていた”と認める 「一番は楽しませること」「目的を見失っていた」 - ねとらぼ

エンターテイメント企業として優先順位を確認したディズニー。
このニュースを見ると、今後はポリコレばかりこだわって、肝心の作品を蔑ろにする姿勢から脱却できそうである。

しかし、スター・ウォーズに関しては安心できない。非常に悪いニュースがある。
それが、監督にフェミニストを起用している事だ

それがシャルミーン・オベイド=チノイ氏である。

彼女はパキスタン出身の活動家フェミニストで、ドキュメンタリー作品で高い評価を獲得してきた人物だ。
イデオロギー云々を除いても、「なぜスター・ウォーズの映画監督を彼女がやるんだ?」と思ってしまう経歴である。

今後、ディズニーは浅はかな人権意識ポリコレから脱却し、素晴らしい作品を作るかもしれない。

だが、スター・ウォーズの映画に関しては、今後も歪んだ人権意識によって作られた駄作となってしまうのかもしれない…

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