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ものすごく、ものすごく行きたくない家族イベントに子どもを連れ出すとき

おさんぽリトミックファミリーコンサートを開催する前に、こんなご相談がありました。

「小1の長男が「行きたい」と言うので、追加で参加させていただきましたが、その後、「やっぱり行きたくない!」と言い出しました。

こんなとき、どう声かけしたらいいのか、親の都合で無理矢理付き合わせていいのか、どうしたら良いのでしょうか」

ふむふむ。よくあるパターンですね。
こちらの対応としては、「同じ歳くらいの子もいるから、来たら来たで楽しむ要素はあるけれども、どちらでも対応できますから安心してください」とご連絡いたしました。

さて、果たして、彼はやってまいりました。

開始5分後、「あー、この子か」とすぐに分かりました。全員が会場の後ろの方に移動して動き始めた中、前方の椅子に座り、ムスッとそっぽを向いています。お母さんが付き添って、一生懸命、何か話しかけたりテンポを取ったりしてくださっていましたが、もう、本当にガン無視!!!

少し話しかけてみましたが、見もしません。

おぉ〜〜、立派、立派!と思いながら、こう聞きました。

「今日、ものすごく、ものすごく来たくなかったん?」

初めて強くうなづきました。わたしはお腹の中で爆笑してしまいました。そうして、「よく座ってるね」と頭をなでました。

よくぞここにいるものです。
泣きも喚きもしていません。ただのガン無視ですから、だれにも迷惑がかかっていません。彼にとっては、ものすごい我慢でしょう。本当にたいしたものです。

途中、楽器制作のときは、作るのが大好きな器用な子が、そばに行って、目の前で制作しました。当然、1ミリも参加せず、見向きもしていませんでしたが、そもそも作るのが好きな子なので、淡々と目の前で制作し、渡していました。この子もすごいな、と思いました。よくぞめげずにいたな、と。

最後のあいさつのとき、また全員が会場の後ろで大きな輪を作り、手を繋ぎました。そのとき、中2の男の子が、果敢にお誘いしていました。とても上手に誘っていましたが、それでもガン無視。わたしは遠くからその様子を見て、「わ〜、その子は無理だと思うよ〜、動かないと思うよ〜」と思っていましたが、そのままほっておきました。そうしたら、なんと、無言の無表情、全身がやる気ゼロで筋肉がだらり〜んとぶら下がっている状態にも関わらず、中2のお兄ちゃんと手を繋ぎ、歌に合わせて振っている(というか、ぶらりんぶらりんと振られている)ではありませんか!!

すごい、すごいよ、中2!!
やはり、子どもには子どもですね。

帰り際、その子を見つけ、思わず「よく最後までいたねぇ!」と感心してしまいました。すごいことですよ。

後から、他の子どもたちが、「妹が作ったカスタネットをカタカタ鳴らしていたよ」とか、とてもよく観察していたこと、「こんなにやってなかった」ではなく、「あの状態だったのに、こんなことをやっていた」と、プラスの方向で見つめていたことを知りました。

終わった後、お母様からメッセージをいただきました。

今日は、心温まる、そして楽しいクリスマスコンサートを有難うございましたm(__)m

佳織先生のお言葉に涙が出てきました。息子があのような態度(全く参加しない)であったのにも関わらず…最後に「最後までよく座っていられたね!えらかったね!」っと、声をかけていただいたこと、その言葉に、全てが救われましたm(__)m

無理やり連れてきてしまった罪悪感、お教室の皆様が心を込めて考えて企画してくださったコンサートに参加せず、不愉快なおもいをさせてしまっているのではないかと(雰囲気を壊してしまっているのでは)…等々。

本当に申し訳ありませんでしたm(__)mそして、そんな息子を、来てくれて嬉しかったとまでおっしゃって下さってm(__)m

それが佳織先生で、お教室の皆様なんだなと実感しました。

お姉さんがタンバリンを作ってくれたり、お兄さんが最後の挨拶に誘ってくれたり、無反応な息子に、本当によく接して下さいました。本当に有難うございました。
とっても勇気のいることだったと思うのです。すごいな〜っと。
私自身も、あの場で、ずっと息子の横で座っていた方が良かったのではないかと考えたり、逆に、何事もなかったかのように息子を一人にしてそっとしていた方がいいのか、迷いながら行動しておりました。

私も帰りに「一緒に、行ってくれてありがとね。待っててえらかったね。」と伝えると、即効「来年は行かないよ」と返答が帰ってきて、グサッっと心に刺さりました。
私の心は完全に見透かされております。
私や娘たちが楽しそうなのを見ていた息子は、来年もきっと行くに違いないと即座に判断したのでしょう。
一旦、頑なになるとなかなか…難しいのです。コンサート中のどこかで、スイッチが切り替わったりするかな…などと、甘い期待もしていたのですが。

そういいつつも、帰ってきてからお昼ご飯を食べながら、「キラキラ星って、モーツァルトの曲なんだね〜」「キラキラ星の曲は、実際はあんなに長いんだね〜」などと私が話し出すと、「フランスの歌って言ってたよ」とすかさず息子が言い返してきて、
耳と目は、なんだかんだ言いながら参加していたのかなっと、感じたのでした。実際は、参加していないのに、息子なりに参加していたのでしょうか。

そして、お教室のお兄さん、お姉さんが息子の変化を見守っていて下さったエピソードも本当に泣けそうになりました。温かな気持ちになれました。本当に有難うございましたm(__)m

私が、今回のことを通して、色々なことを学ばせていただきました。
本当に有難うございましたm(__)m

お兄さん、お姉さんにもよろしくお伝え下さいませ。

お母さんも、嫌な気持ちにならず終えることができて、本当に、だれも不幸になっていなくて、すごくよかったなと思いました。お母さんとお父さんが、あの場で叱らずに根気強くいてくださったからでしょう。


さて、最初のご相談、「こういうとき、どうすればいいのか」ということについて考えてみたいと思います。

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中学生以降の子育てや、それに向けて考えておくべき教育方針などの記事が含まれており、今後も増えます。

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