中学生がライブを企画した!
浜松市のリトミック教室、生きる力をつける音楽教室ミューレで、中学生たちがライブを企画・運営し、無事に開催しました。
企画の主旨や内容はこちらをお読みください。
ミューレでは、高校生が自分たちの卒業公演を企画・運営するという伝統があります。それを見て憧れていた中学生たちが、「自分たちも企画したい!」ということで、アーティストさんを呼んでライブを開くことになりました。
企画が持ち上がったのが、約1年くらい前だったかな。毎週土曜日、レッスン後に1時間強、話し合いを進めました。顧問として、4月に入社した新入社員のあゆさん(子どもたちにとっては、この教室での大先輩なので、よく知っています)が担当しました。
依頼
わたしが、「来てくれそうなアーティストさん」を何名かピックアップし、YouTubeなどで動画を見て、その中からBANANA NEEDLEさんにお越しいただくことになりました。
お声かけさせていただいたのが6月のこと。こんなメールを中学生が書きました。
お金をどうする?
日にちが決まり、いちばん難しかったのはお金のこと。最初は、「クラファンで開催費用を集め、子どもたちは500円くらいのチケット代にする」という計画でした。今思うと、それでも良かったかもしれませんが、ご支援くださった方へのリターンが不明瞭過ぎて、「ただただ金銭的に応援してもらう」と言う、無謀な計画でした。
また、「500円でプロに演奏していただく」ということがどういうことか、よく分かってなかったので、その辺のことを教えました。「安いのがいい、というのは子ども側の考えでしかなくて、普段、いくらくらいのチケット代を払わないと聴けない演奏かを考えなくては失礼だよ」的なことを言ったかな。
その結果、「クラファンでチケットを売る」ということになりました。金額設定、「あしながおじさん」、早割など、長い時間をかけてプランを練りました。
同時にチラシも子どもたちがデザインしました。
新入社員のあゆさんが、校正せずに印刷に出そうとし、「ちょ、ちょ、ちょっと待てー!!」と止めました(笑)。最初は場所がどこかわからない、みたいなチラシでした(笑)。あっぶなー!!
ハモンドオルガン勉強会
学校の「自由研究」みたいな感じで、ハモンドオルガンについてグループに分かれて研究することになりました。歴史チーム、技術チームなどなど、何を調べるかはグループごとに決めました。
「ローレンス・ハモンドさんはイケメンだった」など、評価が加わらない、子どもたちの研究はとても面白かったです。
告知活動
最初に「あしながおじさん」プランがあっという間に売り切れました。予想外でした。応援されてるんだなぁということがよくわかりました。
その後はパタっと支援が止まってしまいました。支援というか、チケットがぜんぜん売れない・・・。
そこで、実行委員のひとり、ちーさん(絶賛積極的不登校中なので、昼間に時間がある)が、浜松を何日もかけて移動し、楽器店や公共施設にチラシ設置のお願いに行きました。
寒い中、何時間も歩き、本当によくやりました。付き添いのあゆさんも偉かったです。ちーさんのトークが良かったのか、すべての施設に快く設置していただけました。本人に「自信になったでしょう?」と聞いたら、「はい!」と元気よく答えていました。「自分に自信がついた」と言い切れる中学生がどのくらいいるかと考えると、本当にすごいことだと思いました。清々しい笑顔に、わたしも嬉しくなりました。
ですが、この様子をちーさんがクラファンのリターンとしてお約束していた進捗日記にアップしていたのですが、内容が、まさに「ザ・日記」。学校の提出物か!
「ねー、もう少し、支援した方にとって面白いことを書いたら?」とアドバイスしましたが、なんと、ちょうどその頃、
というSNS投稿を見かけたのです!!
なんと。まさかの。
大人が余計な入れ知恵をしてはいけない、という戒めとなりました。
また、教室の壁にはこんなポスターが貼られました。
すごい、すごい。工夫してます。
また、各クラスをまわり、子どもたちにハモンドオルガンについて説明し、「聞きに来てね」とお誘いしました。本当に地道な活動を、みんなで話し合って集まって、コツコツと進めました。
クラファン達成!
残り2日だったかな、ついにクラファンを達成しました。本人たちも顧問のあゆさんも「達成すると思わなかった」そうで、とても喜んでいました。これで出演料はお支払いできます。ホッ。ご支援くださったみなさま、本当にありがとうございました。
前日準備
ミシン目カッターが教室にあるのに、ぽちぽちとカッターでミシン目を入れたらしいです。(しかも誤植があり、手書きで修正してました)
本番当日
本番の写真、映像は、ご支援いただいた方へのリターンとして、ドキュメンタリーにまとめて送るそうです。
本番終了!
一夜明けて・・・
翌日は、浜松の老舗ライブハウス、merry youにてライブでした。わたしと新入社員たちでお邪魔しました。
前日のミューレとはセットリストも全然違ったし、ノリやアドリブも全然違い、「あー、子ども用に合わせてくださったんだなー」と感動しました。
新入社員のあゆさん・みゆさんも、ノリノリで、「来て良かった!」と言ってました。こういう貴重な体験ができるのもミューレのいいところ!
最後に・・・
わたしが何より感心したのは、「1年に渡り、途中で飽きもせず、成し遂げた」というところです。
中学生たちひとりひとりというより、「仲間」がいたことで実現できたのではと思います。中学時代って、友達・仲間が鍵を握りますね。
この子達にとって、「やろうと思ってひとつひとつ課題をクリアしていったら、たいていのことはできるという成功体験になるといいなと思います。
これで終わりじゃなくて、それぞれが社会に出て、「そういえばあのとき」と思い出し、活かしてくれたら、先生としては本望です。これからもこういう機会をどんどん与えたいと思っています。
どうぞ応援してください!