最果てのアレクサンドリアへ:ホジェンドの記憶
ホジェンドという街がある。タジキスタン第二の街だ。ウズベキスタンとの国境から数十キロのところに位置している。国境を越えたすぐそこで、乗り合いタクシーを運転する男が交渉する隙も無いままに、いいから乗れ、と陽気に声をかけてきた。破裂しそうなバックパックを抱えて助手席に乗り込むと、ほどなくして後部座席が三人の男で埋まった。後部座席の男は「あなたの名前は何ですか」「何歳ですか」「出身はどこですか」と書かれた翻訳アプリの画面を見せてくる。二十一歳だ。大学生で、日本出身だ。そう答えると