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老人は バスで通うよ 吉祥寺
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バスに揺られて40分、JR吉祥寺駅前に到着。まず、駅ビル2階の券売機で、残高が1,000円を切っていたスイカに、15,000円をチャージ。次に、中古PC店"ジヤンガラ"で、iPadの出物がないかチェック。"ブックオフ"に移動して、睡眠薬代わりに読む時代小説をゲット。昼時になったので、以前から気になっていた街中華“旺旺“で、孤独のグルメ。
こんな調子で、週に1回は吉祥寺に行っている。最寄りのバス停まで歩いて5分、バスが40分なので、往復に要する時間は、ほぼ2時間。我が家のある西武池袋線の大泉学園でも、生活に必要な物とサービスは何でも手に入るのに、吉祥寺に行きたくなる。同じような思いの老人が多いと見えて、往きも復りも、座席は老人で埋まっている。
吉祥寺行きのバスに乗るのは、決まって平日の昼間。そんな時間帯に出かけようってのは、老人くらいのもの。70歳になれば、バス乗り放題のシルバーパスが手に入る。バスの正規料金は片道、220円。往って復ると、440円。そんな金を払ってまで、と二の足を踏んでいた人もタダなら、『吉祥寺に行ってみるか』ってことになる。
『タダなら』と言ったが、実際にはタダではない。1年間有効なパスを手に入れるには、住民税非課税の人は1,000円、課税の人は20,000円を払う必要がある。それでも、1,000円払った人は、吉祥寺に3回行ったら、4回目以降はタダって計算になる。ならば、『タダなら、行こうか』って推量も、あながち間違ってはいまい。
シルバーパスは、『高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉向上を図る』目的で、1980年に制定された都条例に基づいている。吉祥寺に行くのが、「社会参加」に当たるのか、いささか疑問なしとしない。それでも、若者が通りに溢れる吉祥寺の街で、刺激を受けて元気になれば、当たらずとも遠からじだろう。
既に、20,000円払っていることだし、刺激を求めて吉祥寺に通いを続けるとしよう。
(2025.02.22)