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オリンピック ドローン使うは 何のため

安藤広重「深川洲崎十万坪」のオマージュ

 「サッカー女子カナダ 勝ち点6剥奪」

 パリオリンピックのニュースサイトの見出しが目を引いた。勝ち点を剥奪なんて穏やかじゃないな。何があったのだろう。女子サッカーは始まったばかりで、カナダは勝ち点を6も持っていないだろうに。

 カナダのチーム関係者がドローンを飛ばして、次の対戦相手、ニュージーランドの練習を偵察したことに対する制裁措置だそうだ。カナダは第1戦の勝利によって勝ち点3を持っていたが、この措置により勝ち点は-3になるという。

 勝ち点にマイナスがあるのも驚きだが、ドローンによる偵察とは何ごとか。スポーツの試合でそこまでやるか。

 ドローンは、ウクライナとロシアの戦争では、重要な武器になっている。国の威信をかけて戦うオリンピックだから、「勝利のためなら手段を選ばず」とばかり、やってしまったのか。

 ドローンの活躍の場は、戦争に止まらず、農薬の散布、山奥への物資輸送、観光スポットの撮影と拡大の一途だ。確認した訳ではないが、サッカーやラグビーのような広いグラウンドを使う競技で、フォーメーションの確認にドローンは使用されているに違いない。そうだとすると、サッカーチームはドローンを使い慣れていることになる。

 使い慣れたドローンを、「対戦相手が練習している隣のグランドに飛ばしてみよう」と、軽い気持ちでやってしまったか。

 勝利至上主義による確信犯か、悪意のない出来心か。いずれにしても、ドローンにとっては不名誉な出来事だ。一方、ドローンには、名誉回復のチャンスもあるようだ。

 小型ドローンをリモコンで操りサーキット内でスピードを競うドローンレースが、オリンピック種目になる可能性が出ている。ドローンレースは2022年からワールドゲームズの種目になっている。過去にワールドゲームズからオリンピックに格上げされた種目としては、スケートボード、ブレイキン等があり、ドローンのオリンピックでの名誉回復も、そう遠い先の話ではないかもしれない。

(2024.08.03)

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