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大人ってなにか、まだ全然わかんないすけどね!

なんでインディーズバンドが好きか、少し考えてみる

僕の好きなバンドが、CRYAMYが新譜を出した。
去年知って、去年初めてライブハウスに行った。
「綺麗事だと言われようと、最後に自分がいる」
そんな言葉にみんな心酔して、ありがとうって叫んだ
僕もまあメンタルがマイナスに振れてることの方が多い人間だから、「知らないすけど」って繰り返しながら言うカワノのその言葉に、捻くれて、斜に構えて生きてきても、ああなんか、リアルだ。なんてスッと心に入ってくるような、救われた気持ちになった。

今年に入ってその対バン相手のフロントマン、ヤマトパンクスが「アイツ辛気臭いねん。辛気臭いの嫌いやから」とか言うから、ああ、僕もこのままではなんか嫌なままだな自分。って、何とかプラスに持っていこうって思うことが増えた。

CRYAMYはこの前、オンラインライブをやってくれて、“生まれてきてよかったなんて思ったことは無いんじゃないかな” なんてガッツリ辛気臭い歌詞のある『ディスタンス』を再録Ver.で歌ってくれた。
再録にかけてというか、CRYAMYというバンドは最初に見た『テリトリアル』のMVの、スタジオで爆音でかきならす、ボーカルよりギターが目立ってるノイズバキバキの音像に載せる辛気臭い歌詞が美しくて、内側の葛藤を爆発的に魅せるようなバンド という印象があって、その心象の吐露に僕らは感傷に浸る。そういうイメージが強くて。
でも去年ちょくちょくと何回か行けたライブはどんどん規模が大きくなっていって、観客はどんどん熱を増して、観客ありきの演出というか、自分の気持ちをぶつけるだけでは終わらなくなっていって、
再録されたディスタンスはこの辛気臭さだけでは終わらせない。しっかりかっこいいんだと魅せに来ているような感覚がして、なんだか嬉しくなってしまった。

音楽の楽しみ方なんて人それぞれだけど、僕はとりわけロックバンドにおいては共感性に重きを置いていて、あの歌詞は僕の中にもある気持ちだ。とか、あの曲と同じことをしてみよう。そんな風に曲への思い入れを高めてみたり。とか。

僕の気持ちの変化とともに、好きな音楽はどんどん変わっていく。好きなバンドともに、気持ちがどんどん変化していく。
別にインディーズだから好きとかメジャーは嫌いとかそんなものは野暮で、ただ、見ている景色が似てるから、そりゃ好きになるしかないでしょ。ええ。

なんとなく、MOROHAのアフロがどこかで言ってた「感性と感情は違う。悲しい時にしか悲しい歌が歌えないのは感情が豊かなだけだ。」みたいなことを思い出した。
これを初めて見た時はちょっとよく分からなくて、なんだか寂しいなとか思っていた。

きっと今の僕は感情が豊かなだけだけど、いつか大人になっていく。感情から感性へと、脱皮していく。
いつまでもなににつけても癇癪を起こして、泣いて、悲しむような、子供のままではいられないんだろう。

でも、今この子供時代を、この好きなバンドたちとともに生きれていることが、とても嬉しいんだ。

そもそも僕だって今好きなバンドをいつまで好きか分からないし、好きなバンドはいつまでも生きててくれるかわからないわけで。うん、、なんか寂しくなってきちゃったな。感情しかねえ。

ライブハウスの熱狂はひとつの生命のようで。
バスドラムの拍動で僕らの血は流れていて。
ライブは、バンドは、もしかしたら元の形には戻れないかもしれないし、ヤマトパンクスが言ってた「やるコンテンツ、ハイカルチャーに遷移していく」って予想はあながち腑に落ちていて。まあやるのはちゃんと楽しいしな。

でも僕らの子供時代に、これからの子供たちの時代に、あの場所があったら嬉しいよ。

セイブアワプレィスしてくれ。

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